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「誰を船に乗せるのか」という誘惑に負けない 小さなやさしい社会のつくりかた

コミュニティビジネスという不思議な単語がある。ビジネスにおいて、「誰を船に乗せるか。」が最も大事と語られることがある。しかし、コミュニティは、誰もがここでいられるようにお互いに負担をわけあいながら、暮らすという場なのである。

ビジネスは、提供する側と提供される側が必ず存在する。コミュニティは、私がいるためにあなたがいるという関係性が中心にある。

なかなか話がうまく嚙み合わないときがあるのは、コミュニティビジネスといったときに、コミュニティに力点におくのか、ビジネスに力点におくのかで同じ単語でもとりかたが違うという理解をしておけばいいような気がする。

弱い私たちが、つながりあい、まざりあい、かかわりあう

安心して産まれて生きて死ぬことができるコミュニティになる

2023年4月で創立20周年をむかえる株式会社M-easyの果たす役割としてかかげている文言である。

単純に私自身が生きやすい社会で暮したい。という随分と身勝手な想いが込められている(笑)みんなのおかげで毎年はたらくスタッフやかかわる人のつながりが増えていく中で、関係性を育み、各々の暮らしをもちろん迷いながら悩みながら積み重ねている。

コミュニティビジネスという曖昧領域を、コミュニティに力点をおきながら曖昧なまま前に進めることに挑戦している。

弱い人を中心におく。

ついつい「できること」に評価があつまる。できる人があつまる。そのまま
「できること」がよいマインドになればなるほど、失敗できない、そして、「誰を船に乗せるのか。」という方向にもっていかれる。

ある意味、間違ってはいない。ビジネスの世界では、他社と比較してよい価値を提供する人が評価される。しかし、コミュニティの世界では、誰もがその人なりに役割を担い、価値を提供しあう関係性で存在する。できることをできる人がやればいい。

もちろん、「くるもの拒まず、さるもの追わず」 依存も強要ものぞんではいない。

私たち自身が暮らすこの地域で私たちが作り続けていく関係性は、私たちの人生に直結している。だからこそ、「誰を船に乗せるのか」という誘惑に負けずに、弱い人も、困った人も、私たちの一員という中で、どう全員野球をやっていくのかという思考へうつす。それを前提としてのビジネスなのである。

そうしていくことで、困ったときも、困らないときも、やさしく受け入れられるコミュニティに自分が暮らし続けていくことに帰結するのではないかと思っている。

これが私が考えるコミュニティビジネスのありかたである。

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