「野球賭博疑惑」に関する大谷翔平選手の声明を理解するために重要な観点は何か
現地時間の3月25日(月)、大リーグのロサンゼルス・ドジャースに所属する大谷翔平選手が記者会見を行い、専属通訳であった水原一平氏による違法賭博疑惑に関する声明を読み上げました。
捜査が行われている状況のため、話せる内容に制限があるという趣旨の前置きをしたうえで、「送金を頼んだことも許可したこともない」と自身の関与を全面的に否定し、水原氏に騙されたと強調しました。
事件の発覚後に大谷選手が自ら声明を発表するのは今回が初めてで、米国の報道機関などの一部からあがっていた、大谷選手の説明責任を求める意見に応じた形です。
今回は大谷選手が自らの立場を表明したもので、これによって大リーグ機構による調査や当局の操作が影響を受けるものではないという点には注意が必要です。
むしろ、これによって本件はようやく本格的な動きを見せ始めたと言うべきです。
また、もし大谷選手の声明の内容が全て正確であると立証されれば、機構として処分を行う可能性はなくなると考えられます。
一方、仮に声明の内容に真実とは異なる内容が含まれていることが明らかになれば、たとえ処分に相当する事実がなかったとしても、大谷選手の名声に影響を与えることが推察されます。
その意味で、すでに本欄が指摘するように、今回の一件はRule 21のように大リーグ機構が定める規程と推定無罪の原則のいずれにも注意を払う必要があり、他の案件と同様に事柄そのものに即して考える努力を怠ってはならないのです。
<Executive Summary>
What Is an Important Viewpoint to Understand Mr Shohei Ohtani's Statement? (Yusuke Suzumura)
Mr Shohei Ohtani of the Los Angeles Dodgers held a press conference and express his statment for the "Massive Theft Issues" on 25th March 2024. On this occasion, we examine what is an important viewpoint to understand Mr Ohtani's statement.