石破茂新総裁は「自由と真実の自民党」を実現できるか
本日、自民党の党本部において総裁選挙が行われ、高市早苗国務相と石破茂元幹事長による決選投票の結果、氏が当選しました。
今回の自民党総裁選は議員票367票、党員算定票368票の合計735票で、第1回目の投票の結果以下の通りでした。
氏名:議員票/党員算定票/合計
高市早苗:72/109/181
小林鷹之:41/19/60
林芳正:38/27/65
小泉進次郎:75/61/136
上川陽子:23/17/40
加藤勝信:16/6/22
河野太郎:22/8/30
石破茂:46/108/154
茂木敏充:34/13/47
(敬称略、単位はいずれも票)
また、自民党総裁選挙の決選投票は、石破茂候補が215票、高市早苗候補が194票で、石破候補が総裁に選出されました。
議員票及び都道県票の内訳は以下の通りでした。
氏名:議員票/都道府県票/合計
高市早苗:173/21/194
石破茂:189/26/215
(敬称略、単位はいずれも票)
決選投票前の最後の演説では、被災地への配慮を先にして自らの話を後にした石破茂候補と、「女性として決選投票に進んだことの意義」を強調した後に被災地の話題に進んだ高市早苗候補というように、それぞれの持ち味の違いが示されていました。
特に岸田文雄首相を「岸田文雄総理総裁」としばしば言及した石破候補は旧岸田派と麻生派ならびに党内の進歩派の取り込みを、岸田首相から菅前首相、安倍元首相、そして小渕元首相へと進んだ高市候補は、旧安倍派、旧茂木派と小泉支持派への投票の要請という意味を持つものでした。
あるいは、「自由と真実の自民党」を訴えた石破茂候補と、持ち時間を超過し、最後は公明党大会の話で終わった高市早苗候補とは、最後の演説に関する限り前者の巧者ぶりが発揮されたと言えるでしょう。
このような最後の演説のみが効果を発揮したというものではないものの、辞を低くするだけでなく自ら推薦人の確保や投票の依頼を行うなど、過去の総裁選で党員からの支持はあっても国会議員から支援は薄かった石破氏が自らの弱点の改善に努めた結果が決選投票の議員票の得票数に現れたと言えるでしょう。
総裁選の後に行われた両院議員総会の中で、「自由闊達な自民党を再び取り戻す」と指摘した石破氏が、「国民は依然として自民党に対して不信の目を向けている。だからこそ自民党は生まれ変わらねばならない」という趣旨の発言を実現できるか、今後の手腕が注目されます。
<Executive Summary>
Can Mr higeru Ishiba Reform the LDP? (Yusuke Suzumura)
The Presidential Election of the Liberal Democratic Party is held today and Former Party Secretary General Shigeru Ishiba is elected as the New Head of the LDP. On this occasion, we examine the possibility of Mr Ishiba to reform the party.
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