「新型コロナウイルス問題」が学術活動に与える影響の意味は何か
新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、各国や地域の内部で移動の規制や、国や地域を跨ぐ渡航が制限されているのは周知の通りです。
こうした対策は新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために必要な措置であることは多くの人が認めるところでしょう。
それとともに、一連の施策によって内的ないし外的な人の往来が減少し、観光業をはじめとする様々な分野に看過し得ない影響が生じていることも、われわれの知るところです。
ところで、新型コロナウイルス感染症の拡大が学問に与える外形的な影響の一つは、学会や研究会などについて、会場に参加者が集まって開催するという方式で大会や総会を実施することが難しくなり、実施を延期ないし中止する、もしくは遠隔会議方式により行われているという点でしょう。
実際、私も今年3月以来、所属する学会や研究会の年次総会や研究大会がいずれも従来通りの方法での開催を見送り、書面開催や遠隔会議方式により実施するか、2020年度については中止となっています。
もちろん、こうした措置が取られることで、これまでのような参加者同士が同じ空間を共有し、直接的な対話を行う機会が奪われるのは、残念なことでしょう。
その一方で、例えば書面方式で開催することで、学会発表などでしばしば見受けられる「思い付きの発言」や「発表の趣旨を逸脱する質問」、あるいは「その場しのぎの回答」などが少なくなるのは、開催形式の変更に伴う好ましい結果の一つと言えるかも知れません。
今後、学会などの開催の形式がどのようになるかについては、現時点では予断を許しません。
それでも、もし開催形式の変更によって新たな知見などが得られたなら、各団体や参加者には、ぜひともそうした成果を発展させ、あるいは従来の方式に活用することが求められることでしょう。
<Executive Summary>
Will a Style Change a Meaning of Academic Activities? (Yusuke Suzumura)
By an outbreak of the COVID-19, academic activities such as holding and participating conference or research meeting are postponed or changed its style. It might be a good opportunity for person who has a relationship with an academia to correct undesirable customs and introduce new habit and system.
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