「東京オリ・パラの延期決定からの1年間」はIOCにとっていかなる意味を持つか

本日、昨年3月24日(火)に東京オリンピック・パラリンピックの開催時期の延期が決定してから1年が経ちました。

1896年のアテネ大会に始まった近代オリンピックの歴史の中で、大会が延期となったのは初めてのことでした。

ところで、東京オリンピック・パラリンピックの延期問題については、2020年3月24日朝日新聞の言論サイト 「論座」に「新型コロナ世界的流行でもIOCが東京五輪を中止できない三つの理由」で検討しました[1]。

この中で、私は「『五輪開催の魅力』の維持」、「『収益構造』の問題」、「支持層の高齢化を避ける」という3つの観点から、国際オリンピック委員会(IOC)が大会を中止することが出来ず、延期以外の選択肢がないことを示しています。

そして、1年後の現在、これら3つの点は改善されるというよりは、IOCにとって行動の範囲を狭める役割を果たしているかのようです。

現在、東京大会だけではなく、オリンピックそのものを取り巻く環境は厳しさを増しつつあります。

それだけに、この1年間を振り返り、その意味と意義を考えることは、IOCにとって今後の展望をより明瞭なものとするためにも、重要な取り組みとなることでしょう。

[1]鈴村裕輔, 新型コロナ世界的流行でもIOCが東京五輪を中止できない三つの理由. 論座, 2020年3月24日, https://webronza.asahi.com/politics/articles/2020032300003.html (2021年3月24日閲覧).

<Executive Summary>
What Is a Meaning of Postponement of the Tokyo Olympic Games for the IOC? (Yusuke Suzumura)

One year has passed since the International Olympic Committee (IOC) announces postponement on24th March 2021. In this occasion we examine a meaning of the announcement for the IOC.

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