第30回全国高等学校選抜オーケストラフェスタの開催を祝す
本日、日本青年館ホールにおいて全日本高等学校選抜オーケストラフェスタ(オケフェス)が開幕しました。
これにより、1995年1月7日(土)、8日(日)に全国の10校が参加して始まったオケフェスは、30回という節目を迎えました。
演奏の優劣を競い合うコンクール形式ではなく、出演者同士の交流を促進するとともに、互いの演奏を鑑賞することを通して技術性や芸術性だけではなく、人間性の陶冶に資することを目指すオケフェスの価値は、教育的価値が高く、意義深いとともに、交響管弦楽の裾野を広げるという意味でも重要な催事です。
その一方で、2020年2月に始まった新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって全国の高等学校や中等教育学校での部活動が制限を受け、特に管楽器の吹奏が飛沫の拡散を加速させるということで管弦楽や吹奏楽の演奏が顰蹙されたことは、オケフェスとも無縁ではありませんでした。
会場である日本青年館ホールに各校が集まるという従来の形式を、各校が単独で会場において演奏を収録し、あるいは自校で撮影した動画を提出するという方式に改めて挙行した第27回及び第28回は、参加した皆さんや観衆にとってのみならず、オケフェスそのものにとっても楽器を演奏することとは何か、一つの場所に集まるとは何かということを考えるための、重要な機会となりました。
そのような困難な時期を耐え抜いたことで昨年の第29回から従来の形式に準ずる形でオケフェスが開催されるようになったのは、ひとえに主催者である全日本高等学校オーケストラ連盟及び日本青年館の関係者各位の尽力のたまものです。
それとともに、オケフェスを取り巻く環境そのものんが変化し、厳しさを増していることは、2021年10月から12月にかけてクラウドファンディングを行ったり、一般来場者が鑑賞する際、以前は無料であったものが現在では入場料として1000円が徴収されるといったことからも推察されます。
あらゆる事柄は始めることも終えることも容易であるとすれば、最も難しいのは継続することです。
それだけに、今後もオケフェスが継続され、50回、100回と回を重ねるためにも、関係者の一層の取り組みとともに、聴衆であるわれわれ一人ひとりもオケフェスの発展の一翼を担うための努力を欠かさないことが必要となります。
オケフェスのさらなる成長を願い、前途を祝しつつ、聴衆が果たすべき役割の大きさに意を新たにする次第です。
<Executive Summary>
Celebrating the 30th Anniversary of the All Japan Selected High School Orchestra Fest (Yusuke Suzumura)
The 30th All Japan Selected High School Orchestra Fest is held at the Nippon Seinenkan Hall on 25th to 28th December 2023. On this occasion, we celebrate this memorial opportuniy and have the prospect of the Fest.
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