令和5年度春の全国交通安全運動によせて

昨日から今年度の春の全国交通安全運動が始まりました。実施期間は5月20日(土)までです。

今回は4月1日から自転車を利用する際のヘルメットの着用が努力義務になったことなどもあり、例年に比べて交通安全運動に対する関心が高いように思われます。

確かに、全国の交通事故の犠牲者は毎年減少し、昨年は統計を取り始めた1948年以降で最少の2610人となりました[1]。それでも、毎年2000人以上が交通事故によって落命しているという事実に変わりはありません。

それとともに、例えば自動車の運転者が交通規範を遵守することで歩行者が安心して歩行できることは、地域の魅力を高めることにもつながります。

すなわち、黄信号は「止まれ」、赤信号は「停止線を超えて進んではならない」という基本事項の遵守を徹底し、歩行者が青信号によって横断歩道を通行している際にブレーキの踏み方が緩く自動車がわずかながらであってもにじり寄る、あるいは車道が赤信号になっても誰も横断していないからと車両が通過するような道路は、歩行者にとってうかつに歩くことが出来ない場所です。

そして、そのような交通規範を遵守する意識の低い自動車が往来するような地域は、自動車優先の社会であるかもしれないものの、一人ひとりの歩行者にとってみれば、日常生活を穏やかに過ごすためには不要の負荷がかかる場所に他なりません。

果たしてこのような地域が歩行者にとって魅力的であるか否かと問われれば、回答はおのずから否定的なものとならざるを得ません。

その意味で、たとえ春の全国交通安全運動の実施期間中だけであっても、自動車を運転する人たちが歩行者の安全という一点により一層注意を払うことが願われます。

[1]交通事故死 昨年は最少2610人. 朝日新聞, 2023年1月5日朝刊26面.

<Executive Summary>
What Is a Meaning of Realising Traffic Safety for Us? (Yusuke Suzumura)

The Campaign for Traffic Safety of Spring 2023 starts on 11th May 2023. On this occasion, we examine an important attitude for the drivers to realise traffic safety and its meaning for us?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?