『ベストオブクラシック』における仙台フィルハーモニー管弦楽団の演奏で思ったいくつかのこと

昨日は、19時30分から21時10分まで、NHK-FMの番組『ベストオブクラシック』で仙台フィルハーモニー管弦楽団の演奏が放送されました。

今回は、前半が今年2月14日(金)に行われた第334回定期演奏会の実況録音としてベートーヴェンの交響曲第8番とブラームスの交響曲第1番が、後半には1995年にナミ・レコード発売された音源から、芥川也寸志の『弦楽のための三楽章』が放送されました。指揮は前半が飯守泰次郎、後半が円光寺雅彦でした。

ベートーヴェンは軽快さと繊細さが、ブラームスは瀟洒さと雄渾さとが混然一体となった演奏で、どちらかと言えば線が細く曲を小さくまとめがちであった飯守の成熟と仙台フィルの充実ぶりが窺われる内容でした。

また、1989年から1999年まで仙台フィルの常任指揮者を務めた円光寺は決して華やかではないものの曲を手堅くまとめ上げる指揮者であり、芥川の録音もそのような円光寺の手腕と仙台フィルとの相性の良さが反映されていました。

在京の楽団に比べて地方都市に所在する団体の存在感が高くないだけに、こうした全国放送を通して実力派の楽団の演奏を聴取する機会が設けられることは、各団体にとっても聴取者にとっても意義深いものだと思われるところです。

<Executive Summary>
Miscellaneous Impressions for NHK FM's "Best of Classic" and the Records of the Sendai Philharmonic Orchestra (Yusuke Suzumura)


The NHK FM broadcasted a programme entitled with Best of Classic on 25th March 2020. In this time three records of the Sendai Philharmonic Orchestra including Brahms' 1st symphony were broadcasted.

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