NHK交響楽団第1965回定期公演

昨日は、NHKホールにおいてNHK交響楽団の第1965回定期公演が行われ、NHK FMでの実況中継を鑑賞しました。

今回はヘルベルト・ブロムシュテットの指揮により、マーラーの交響曲第9番が取り上げられました。

モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスなどで優れた録音を残し、古典派からロマン派、あるいはニールセンなどのいわゆる北欧の作曲家を得意とするように思われがちなのがブロムシュテットです。

しかし、NHK響の定期公演ではこうした作曲家だけでなく、ブルックナーやストラヴィンスキー、ショスタコーヴィチなども取り上げています。

マーラーについては、交響曲に限っても1985年の第976回の第5番に始まり、第4番、第9番を演奏しており、特に第9番は今回で最多の3回目と、両者の組み合わせとしては慣れ親しんだ1曲となります。

このような背景を踏まえれば、冒頭のチェロやホルン、ハープによる印象的な序奏にはじまり、時に深刻で、時に軽妙な音楽に向かい合って、最後まで聞き手の注意を逸らさず濃密な演奏を実現したことは当然の結果であったと言えるでしょう。

一方、公演中は椅子を利用して指揮を行い、終演後に客席の拍手に応えて舞台に再登場した際には篠崎史紀と郷古廉に両脇を支えられている様子は、気になるところです。

前回の来日となった2021年10月の定期公演ではしっかりとした足取りで依然として活気に満ちた様子を見せていただけに、今年6月の骨折の影響が懸念されます。

それだけに、1981年に始まるブロムシュテットとNHK交響楽団の間柄がこれからも長く続くことが願われた、今回の公演でした。

<Executive Summary>
Stage Review: NHK Symphony Orchestra the 1965th Subscription Concert (Yusuke Suzumura)

The NHK Symphony Orchestra held the 1965th Subscription Concert at the NHK Hall on 15th October 2022 and broadcasted via NHK FM. In this time they performed Mahler's 9th Symphony. Conductor was Herbert Blomstedt.

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