首班指名選挙の多数派工作に勝利するのは誰か

10月27日(日)に投開票された第50回衆議院議員総選挙で自民党及び公明党の獲得議席の合計が総議席の過半数を下回ったことで、党からず開催される特別国会における首班指名選挙に向け、与野党が政権の枠組みを巡り調整や交渉を進めています。


すなわち、石破茂首相は各党との信頼関係の醸成や国民の理解を得るための努力を行う趣旨の発言をし、野党第一党の立件民主党の野田佳彦代表は首班指名選挙での指名獲得への意欲を示しています[1]。


現時点では第1回目の首班指名選挙で過半数の票を獲得する者がおらず、得票数の多いものが指名を獲得する決選投票になった場合、日本維新の会と国民民主党が首班指名選挙で野田氏に投票しない限り、石破茂首相が当選します。


そのため、比較的優位に交渉を進めているのが自民党であり、立憲民主党側は劣勢を挽回するだけの手立てがない限り首班指名選挙で勝利することはできない状況です。


ただし、自民党側も優位ではあるとはいえ日本維新の会と国民民主党が態度を鮮明にしない中で、首班指名選挙に際してその支持をどこまで期待できるか、あるいは支持を得るためにどのような対価を要するか判然としないのも事実です。


それだけに、石破首相が続投するのか、日本維新の会もしくは国民民主党から首班を迎えるのか、それとも野田氏を首班に据えることで大連立政権を作るのか、今後の交渉の推移が注目されます。


[1]維・国両党を奪い合い. 日本経済新聞, 2024年10月29日朝刊3面.


<Executive Summary>
Which Will Be the Winner of the Political Maneuver to Have a Majority of Votes for the Prime Minister? (Yusuke Suzumura)


After the General Election 2024, many parties including the Liberal Democratic Party and the Constitutional Democratic Party, have a political maneuver to win a majority of votes for the Prime Minister. On this occasion, we examine the prospect of politicking.

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