石破政権を待ち受ける3つの可能性
11月11日(月)に衆参両院の本会議で行われた首班指名選挙において、自民党の石破茂総裁が再選を果たし、第103代内閣総理大臣に選出されるとともに、第二次石破内閣が発足しました。
1994年6月29日の村山富市首相以来約30年4か月ぶりに決選投票が行われ、1979年11月6日の大平正芳首相以来45年ぶりに過半数未満で当選を果たしたという事実は、第二次石破内閣の権力基盤の脆弱さと石破首相が政権運営に苦慮する姿をわれわれに伝えます。
それでは、今後の石破政権の行方はどのようなものになるでしょうか。
現時点で以下の3つの可能性が考えられます
(1)2025年度予算の成立後に退陣
(2)2025年度に入り退陣
(3)都議会選挙と参院選の結果により進退を判断
(1)については、来年1月に招集される通常国会で少数与党として野党側と妥協しつつ予算案を審議し、その成立と引き換えに退陣する、あるいは予算案の可決をもって自民党内から退陣の要求が高まり総辞職するという見立てです。
(2)は来年度予算の成立後も政権の座に留まるものの、世論調査で内閣の支持率が低迷する、もしくは伸び悩めば、来年7月の東京都議会選挙と参院選を勝てないという声が党内に高まり、選挙対策としてより人気を博し得る人物と交代するという選択肢です。
そして、(3)は(2)と連動しており、石破首相が特別国会の閉会後に本格的に自民党の改革に着手し、政治資金問題の解決に一定の道筋を示すことで支持率が向上し、都議選と参院選を石破首相の下で行えると判断されて政権の座に留まりつつ、選挙の結果いかんにより周囲の批判を抑えることに成功するか、それとも退陣の要求に直面し、進退を決めるという筋書きです。
もちろん、実際にこれ以外にも様々な要素があり、例えば石破首相の健康状態が優れない場合に早期に退陣するという可能性も否定できません。
それだけに、石破政権の今後の動向が一層注目されるとともに、石破首相が難局を乗り越えて長期政権への道を切り開くのか、それとも数々の困難に飲み込まれて短期間での退陣を余儀なくされるかという点にも関心が集まります。
<Executive Summary>
Examining the Three Possible Alternatives for the Future of the Ishiba Cabinet (Yusuke Suzumura)
The 11th November, 2024 the Second Ishiba Cabinet formed. On this occasion, we examine the three alternatives for the future of the cabinet.