NHK交響楽団第1941回定期公演
昨日は、19時から20時50分までNHK FMでNHK交響楽団の第1941回定期公演を聴取しました。会場はサントリーホール大ホールでした。
今回は、前半にステンハンマルのセレナード、後半にベートーヴェンの交響曲第5番が取り上げられました。指揮はヘルベルト・ブロムシュテットでした。
近年、愛好家団体では演奏の機会が増えているものの、NHK響にとっては必ずしも親しみのないステンハンマルながら、ブロムシュテットは柔らかな雰囲気の中に芯の太さを備えた音楽に仕立て上げ、楽団の選曲の幅を広げたことを印象付けました。
また、後半のベートーヴェンは誰もが知る作品であるばかりでなく楽団にとっても頻繁に取り上げて来た作品の一つでもあります。
それだけに、内声を厚くしつつフルートとトランペットを際立たせることで躍動感を生み出すとともに、低音楽器の安定した演奏によって最後まで聞き手の注意を惹きつけて離さなかったのは、作品の内奥を把握して実際の音として表現するというブロムシュテットの力量の高さを改めて示すものでした。
第1939回から第1941回までの3回の定期公演は、新型コロナウイルス感染症の拡大という状況を受け、Cプログラムのように休憩時間を設けず90分で終えるといった変則的な形式で行われました。
そうした中で各回の公演を充実した内容としたことで、ブロムシュテットとNHK響の相互の信頼感と連帯感の強さとが明瞭な形で表現されたと言えるでしょう。
<Executive Summary>
Stage Review: NHK Symphony Orchestra the 1941st Subscription Concert (Yusuke Suzumura)
The NHK Symphony Orchestra held the 1941st Subscription Concert at the Suntory Hall on 27th October 2021 and broadcasted via NHK FM. In this time they performed Stenhammar's Serenade and Beethoven's 5th symphony. Conductor was Herbert Blomstedt.