NHK交響楽団第1948回定期公演

昨日、NHK FMでNHK交響楽団の第1948回定期公演の実況中継を鑑賞しました。会場は東京芸術劇場コンサートホールでした。

今回は、前半にグラズノフの編曲によるショパンの『軍隊ポロネーズ』の管弦楽版とストラヴィンスキーの編曲によるショパンの『夜想曲』の管弦楽版及びパデレフスキのポーランド幻想曲、後半にストラヴィンスキーのバレエ音楽『火の鳥』(1910年版)が取り上げられました。パデレフスキでのピアノ独奏は反田恭平、指揮は原田慶太楼でした。

昨年のショパン国際ピアノコンクールで第2位となった反田が独奏ということもあり、前半にはショパンとパデレフスキのポーランドにゆかりのある作品が並びました。

反田の力強さと伸びやかさを備えた鍵盤捌きが際立ったパデレフスキと、原曲の持つ繊細な旋律を活かしながら一篇の管弦楽曲に仕立てたグラズノフとストラヴィンスキーの手腕の卓抜さが実感されたショパンという組み合わせは、味わい深いものでした。

また、後半の『火の鳥』は原田の躍動的で活力に満ちた音楽作りがよく表れており、音量の大きさでは国内の楽団随一のNHK響からさらに大きな音と熱量の高い演奏を引き出したのは、今回の公演の重要な成果の一つであったと言えるでしょう。

幅が広く深さのある河のように悠然とし、わずかなことでは動じることのないNHK響の内奥に秘められた奔流のような力強さの一端を引き出した原田の手腕は聞き手にとっても楽団事態にとっても得難いものです。

それだけに、今後の共演でどのような演奏を作り上げられるか期待がさらに高まった、この日の公演でした。

<Executive Summary>

Stage Review: NHK Symphony Orchestra the 1948th Subscription Concert (Yusuke Suzumura)

The NHK Symphony Orchestra held the 1948th Subscription Concert at the Tokyo Metropolitan Theatre on 16th January 2022 and broadcasted via NHK FM. In this time they performed Chopin's "Polonaise militaire" (Orchestral Version) and Nocturne (Orchestral Version), Paderewski's Fantaisie polonaise sur des thèmes originaux, and Stravinsky' "L’oiseau de feu" (1910 Edition). Solo piano was Kyohei Sorita and conductor was Keitaro Harada.

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