青山フィルハーモニー管弦楽団第8回定期演奏会の開催から30年に際して思い出すこと

本日、1993年5月1日(土)に世田谷区民会館において青山フィルハーモニー管弦楽団の第8回定期演奏会が開催されてから30年が経ちました。

公演では、前半にブラームスのハンガリー舞曲第1番と第6番、チャイコフスキーの『イタリア奇想曲』、後半にドヴォルザークの交響曲第8番が演奏され、アンコールとしてドヴォルザークのスラヴ舞曲第1番が取り上げられました。

私がブラームスの2曲を指揮し、青フィルの指揮者として初めて主催公演で登壇したのは他ならぬ第8回定期公演でした。

この時、楽器の持ち換え等の都合から、ハンガリー舞曲の第1番の後に第6番の演奏を始めるまでの間に、会場が静寂に包まれる場面がありました。

それまでは最初の公演ということもあって周囲の状況に十分な注意を向けていなかった私は、ここで初めて音楽が止まっていること、そして次の演奏を開始できるのは指揮者だけであることに気付き、オーケストラにおける指揮者の役割の重要さを身をもって実感したのでした。

この日の公演に至るまでの練習や実際の演奏、さらにはその後も演奏者の皆さんに支えられて日々の活動を送り、種々の経験を重ねることが出来ました。

そのような中で、指揮者の持つ機能の一つを体験できたことは、大変にありがたいことであり、今も折に触れて思い出される場面です。

30年という節目の年に、改めて想起した光景は、私にとって音楽活動の原点の一つともいうべきものなのです。

<Executive Summary>
The 30th Anniversary of the Aoyama Philharmonic Orchestra's 8th Regular Concert (Yusuke Suzumura)

The 1st May, 2023 is the 30th anniversary of the Aoyama Philharmonic Orchestra's 8th Regular Concert held at the Setagaya Civic Hall and my first appearance as a conductor for the APO. On this occasion, I remember my personal episodes of the concert.

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