第28回全国高等学校選抜オーケストラフェスタについて思ったいくつかのこと

昨日、12月25日（土）から行われた第28回全日本高等学校選抜オーケストラフェスタが4日間の日程を終了しました。

今回も昨年と同様、新型コロナウイルス感染症の感染拡大という状況を受けて、参加校が会場である日本青年館大ホールに来場して互いの演奏を鑑賞するという従来の形式での開催を見送り、各校が会場での録音を行い、2022年2月から1か月にわたり参加校に限定して映像を配信することとなりました。

現時点では今年半ばまでのように感染の急速な拡大は起きていません。

そのため、現在の様子だけを眺めるなら、オケフェスを従来通りの形式で開催することは決して難しくないという意見もあることでしょう。

一方で、大会を計画し、実施させるためには遅くとも夏頃から参加校の募集を行わねばなりません。そのために当時の情勢に鑑みれば大会の関係者と参加校とが慎重を期すのは当然であり、オンライン形式での開催は所与の条件の下では最善の判断であると考えられます。

また、配信形式による実施は、コンテスト形式ではなく各校の演奏を聞き合うことに主眼を置くオケフェスの目的に鑑みても適切な措置です[1]。

何より、日本の高等学校における交響管弦楽文化の発展の一翼を担い、各地の生徒の皆さんが相互の交流を通して音楽によりよく親しむというオケフェスの趣旨に基づけば、依然として困難な状況が続く中で大会が開催されたことの意義の大きさは明らかです。

それだけに、今回も大会の実現に向けた、全日本高等学校オーケストラ連盟、日本青年館、さらに参加各校の関係者と在校生の皆さんの努力に改めて深甚なる謝意を表する次第です。

[1]鈴村裕輔, 第27回全国高等学校選抜オーケストラフェスタについて思ったいくつかのこと. 2020年12月29日, https://researchmap.jp/blogs/blog_entries/view/76353/e77e9d86c83be20ce2e87f766cd05a6c?frame_id=435622 (2021年12月29日閲覧).

<Executive Summary>
Miscellaneous Impressions on the 28th All Japan Selected High School Orchestra Fest (Yusuke Suzumura)

The 28th All Japan Selected High School Orchestra Fest was held on 25th to 28th December 2021 and performance of each orchestra will be broadcasted . On this occasion I express my miscellaneous impressions of the Fest.