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青山フィルハーモニー管弦楽団第39回定期演奏会

本日、たましんRISURUホール(立川市民文化会館)において、青山フィルハーモニー管弦楽団の第39回定期演奏会が行われました。

今回は前半にエルガーの『威風堂々』第1番、スッペの喜歌劇『軽騎兵』序曲、チャイコフスキーのバレエ組曲『くるみ割り人形』が、後半にドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」が、そしてアンコールとしてシュトラウスの『ラデツキー行進曲』が演奏されました。

いずれも広く知られた作品であり、聞き手がそれぞれの印象をもって耳を傾けることが出来るのが、今回の公演の特徴の一つでした。

こうした場合、どのような形で自らの演奏を組み立てるかがその他の公演にもまして重要になります。

このような状況の中で、今回の公演では作曲者が譜面に描いた内容を正確に辿りつつ細部に指揮者と演奏者の創意工夫が施された演奏がなされました。

その最も顕著な例はドヴォルザークでした。

全楽章を通して速度感を保ちつつ、第2楽章の中間部の後半におけるオーボエの6連符の最初の音型を緩やかに演奏し、その後次第に加速するという、旋律全体の時間を維持しつつ部分的に速さを柔軟に変えることで聞き手の注意を惹き付けることに成功しました。

また、スッペは冒頭のトランペットの吹奏から金管楽器の合奏へと続く序奏を重厚感を強調することで、クラリネットの独奏とその後の弦楽器の短調による旋律の悲劇性と軽騎兵の躍動感に満ちた疾駆の様子を鮮やかに対比させました。

いずれも各作品の演奏における勘所を押さえたものであり、それだけ演奏者が楽譜と真摯に向き合い、作品の内奥に迫ろうとしたことを示すものでした。

このような努力は青フィルの77期生と78期生の皆さんの1年間の活動の集大成である定期演奏会にふさわしいものであり、聞き手に今回の公演の印象を深く刻み付けることになりました。

青フィルの77期生と78期生の皆さんの活動は、今日で終わります。

しかし、この終わりは78期生と79期生の皆さんによる来年の第40回定期演奏会に向けた新たな第一歩の始まりでもあります。

それだけに、今後も青フィルがどのような歩みを示すか、その活動への期待が一層高まります。

<Executive Summary>
The Aoyama Philharmonic Orchestra 39th Regular Concert (Yusuke Suzumura)

The Aoyama Philharmonic Orchestra was held the 39th Regular Concert at the TAMASHIN RISURU Hall on 29th April 2024. In this concert they played Dvorak's 9th Symphony, Tchaikovsky's ballet suit The Nutcracker, Suppe's Light Cavalry overture, and Elgar's Pomp and Circumstance No. 1.

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