【追悼文】クリストファー・プラマーさん--ローマ皇帝からクリンゴンの将軍までを演じた当代の名優

現地時間の2月5日(金)、カナダ出身の俳優クリストファー・プラマーさんが逝去しました。享年91歳でした。

プラマーさんといえば代表作である映画『サウンド・オブ・ミュージック』(原題:The Sound of Music、1965年)のゲオルク・フォン・トラップ大佐が著名ながら、ローマ皇帝(映画『ローマ帝国の滅亡』[原題:The Fall of the Roman Empire、1964年])から1000歳になる博士(映画『Dr.パルナサスの鏡』[原題:The Imaginarium of Doctor Parnassus]、2009年)まで、役柄の幅広さが魅力的でした。

その中でも、私にとってとりわけ印象的なのは、映画『ワーテルロー』(原題:Waterloo、1970年)の端正なウェリントン公、陰惨な雰囲気が濃厚な『名探偵ホームズ 黒馬車の影』(原題:Murder by Decree、1979年)で、鎖を武器に切り裂きジャックと懸命に戦うシャーロック・ホームズ、そして『スタートレックVI 未知の世界』(原題:Star Trek VI: The Undiscovered Country、1991年)の「クリンゴン版シェークスピア」を愛読するクリンゴン帝国の猛将チャン将軍でした。

『スタートレックVI 未知の世界』のチェン将軍は、カーク艦長が指揮するエンタープライズ号を追い詰める際に"Once more unto the breach, dear friends."、"I am constant as the Northern Star."、あるいは"Cry havoc, and let slip the dogs of war."と口にするところからも、シェークスピア、特に『ジュリアス・シーザー』に興味を持っていたことが推察されたのは、興味深いことでした。

改めて、当代の名優の一人であるプラマーさんのご冥福をお祈り申し上げます。

<Executive Summary>
Critical Biography: Mr. Christopher Plummer, Klingon General Chang Was Roman Emperor Commodus (Yusuke Suzumura)

Mr. Christopher Plummer, a Canadian actor, had passed away at the age of 91 on 5th February 2021. Mr. Plummer is a remarkable actor who played Klingon General Chang in Star Trek VI: The Undiscovered Country and Roman Emperor Commodus in The Fall of the Roman Empire.

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