マイナビオールスターゲーム2024が示した野球の魅力

去る7月23日(火)、24日(水)、プロ野球のマイナビオールスターゲーム2024が行われ、エスコンフィールドHOKKAIDOでの第1戦はセントラル・リーグが11対6で、明治神宮球場で行われた第2戦はパシフィック・リーグが16対10で勝利しました。

今回は、2試合とも6本塁打ずつが放たれたほか、第2戦ではオール・パシフィックが28本の安打を放ち、2001年にオール・セントラルが記録した歴代最多の23本を23年ぶりに更新しました。

このほか、第2戦におけるオール・パシフィックの16得点は、1984年にオール・パシフィックが記録した14得点を40年ぶりに更新するとともに、両チームを合計した26得点も、1970年に記録された22得点を上回る新記録となりました。

さらに、佐藤都志也選手(千葉ロッテマリーンズ)と近藤健介選手(福岡ソフトバンクホークス)がともに歴代最多に並ぶ5安打を記録し、坂倉将吾選手(広島東洋カープ)がオールスター戦としては57年ぶり3人目となる満塁本塁打を放ちました。

このように、今回のオールスター戦は、いずれも近来まれに見る、両チームが豪快な打撃を競い合う展開となりました。

特に今季は打者に比べて投手が優位であるだけに、各球団から選出された投手が容易に本塁打を打たれる光景は意外なものであったと言えるでしょう。

また、試合の結果だけをみれば、今回のオールスター戦は乱打戦とも大味とも評されうるものかもしれません。

しかし、日本シリーズでの優勝という最後の目的のために1勝を競い合い、時には1点を得るために慎重な打撃を求められる選手たちが、職業としての野球ではなく、野球そのものを堪能するために試合を行った結果としての豪快な打撃であったとすれば、オールスター戦にふさわしい光景でした。

また、第1戦では、エスコンフィールドHOKKAIDOを本拠地とする北海度日本ハムファイターズから選出された選手が、チームの歴代のユニフォームを着用したことも見逃せません。

すなわち、昨年開場した本拠地での初のオールスター戦の開催を華々しく祝賀するだけではなく、ともすれば振り返られることのない過去のユニフォームを現在に蘇らせるとともに、ファイターズの前身である日拓ホームフライヤーズが1973年後期に採用した7種類のユニフォームの故事を踏まえたものでもあります。

その意味で、今回のオールスター戦は、1年に1度、両リーグの優れた選手たちが各リーグの名誉を担って臨む球宴の名により一層高からしめるものであったと言えるでしょう。

<Executive Summary>
NPB All-Star Game 2024 Showed the Attractive Elements of Baseball (Yusuke Suzumura)

The Nippon Professional Baseball held the two-game series of the All-Star Game 2024 on 23rd and 24th July 2024. On this occasion, we examined the meaning of the Japan's midsummer classic and its impact for baseball itself.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?