【参加報告】法政大学国際日本学研究所研究会「故郷にとっての移民――占領期の広島と在米広島県人の貿易業者」

本日、オンライン形式により法政大学国際日本学研究所（HIJAS）の研究会「故郷にとっての移民――占領期の広島と在米広島県人の貿易業者」が開催されました。報告者は川口悠子先生（法政大学）、司会は横山泰子先生（法政大学）、コメンテーターは根津朝彦先生（立命館大学）でした。

本研究会はHIJASが2018年度から開始した公開研究会「新しい「国際日本学」を目指して」の第9回目となります。

今回は、第二次世界大戦で米軍による原爆の投下を受けた広島市が壊滅的な被害から復興する過程を対象に、日系アメリカ人、特に貿易関係者が郷里の惨状を移民たちに伝えることで外国における原爆の被害に対する理解に与えた影響が、ロサンゼルスの日本語新聞である羅府新報の記事などの資料に基づいて検討されました。

「被爆都市」としての広島を手掛かりに、移民を送り出した明治時代以降の日本の歴史と移民たちが移住先で日本を思う様子が実証的に検討されることは、しばしば見落とされる移民の存在を明らかにするとともに、HIJASが担う「もう一つの日本」の姿の一端を示したと言えるでしょう。

<Executive Summary>
HIJAS' Open Research Meeting Series (9) : "Emigrants for a Homeland: Relationships between Hiroshima in the Period of Allied Nations' Occupation and the US Traders from Hiroshima" (Yusuke Suzumura)

Hosei University Research Center for International Japanese Studies (HIJAS) held HIJAS' Open Research Meeting Series (9) on 24th February 2021. In this time Dr. Yuko Kawaguchi of Hosei University made her speech entitled with "Emigrants for a Homeland: Relationships between Hiroshima in the Period of Allied Nations' Occupation and the US Traders from Hiroshima".