仮説や議論における信頼性と妥当性について思ったいくつかのこと
ある状況を仮定する際、特定の対象のみが変化すると考えるか、特定の対象を含むその他の事象も変化すると捉えるかで得られる結果が異なります。
前者は変化を静的に捉えており、後者は動的に変化を理解していると言えます。
そのため、いかなる手法で状況を検討するかを知ることは、得られた結果をよりよく理解するためにも重要であるとともに、結果の信頼性と妥当性を高めます。
ところで、ある結果に対する信頼性と妥当性の関係については、われわれはしばしば得られた結果が妥当だから信頼すると考えます。
しかし、実際には結果を計算したり議論した機関や人物に対する信頼の有無が納得感の高低に繋がることがありやすいものです。
「あの機関の調査だから正しいだろう」や「この人の議論だから用心しないといけない」といった反応は、このような信頼性と妥当性の関係を示唆します。
もとより、「内容が妥当だから信頼できる」と「信頼できる機関や人物が行ったから妥当な内容だ」とは等しくなくものです。
それでも、われわれの判断の背後にこうした枠組みが横たわっていると念頭に置くことには、何らかの意義が存すると言えるでしょう。
<Executive Summary>
Relationships between Validity and Reliability of a Hypothesis and a Discussion (Yusuke Suzumura)
We often evaluate validity of a hypothesis and a discussion based on reliability of those who examine. In this meaning reliability has a remarkable meaning for our judgement to trust its validity.