NHK交響楽団第2002回定期公演
昨日、NHKホールにおいてNHK交響楽団の第2002回定期公演が開催され、NHK FMの実況中継で鑑賞しました。
今回は、リャードフの交響詩『キキモラ』とプロコフィエフのバレエ組曲『ロメオとジュリエット』が演奏されました。指揮とプロコフィエフの編曲はトゥガン・ソヒエフでした。
録音はともかく実際に演奏される機会に乏しいリャードフの作品の中でも、さらに取り上げられる頻度の少ない『キキモラ』はこの日の公演の聞きどころとなるものでした。
見通しの良い構成の下に巧みに使い分けられた緩急が印象深い作品は、岩山の魔法使いの下でイングリッシュホルンの奏でる猫の子守歌を聞く幼いキキモラの様子を表現するピッコロとオーボエの様子が、冒頭から聞き手の注意を逸らさない仕上がりとなっていました。
2曲目のプロコフィエフは本来の組曲版の配列をソヒエフが並べ直したものです。
プロコフィエフが原曲から再構成した組曲を元に戻す形で「モンタギュー家とキャピュレット家」から始めたところに、ソヒエフの意志の固さがよく表れていました。
また、演奏者にとっては馴染みのある作品だけに、劇的な音楽をより陰翳深く演奏しており、とりわけ低音部の芯の太さは印象深いものでした。
改めてソヒエフの音楽作りの幅の広さと手堅さとが示された公演になったと言えるでしょう。
<Executive Summary>
The NHK Symphony Orchestra the 2002nd Subscription Concert (Yusuke Suzumura)
The NHK Symphony Orchestra held the 2002nd Subscription Concert at the NHK Hall on 19th and 20th January 2024 and broadcast via NHK FM on 19th January 2024. In this time, they performed Liadov's Kikimora and Prokofiev's ballet suite Romeo and Juliet. Conductor was Tugan Sokhiev.
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