制定から5周年目を迎えた「令和」によせて

本日、2019年5月1日(水)に明仁陛下が遜位され皇太子徳仁殿下が当極されるとともに元号が平成から令和に改まってから5年が経ちました。

国内的にはバブル経済の崩壊から長期の経済の低迷、さらには阪神・淡路大震災やオウム真理教による地下鉄サリン事件、あるいは東日本大震災など、従来の日本が経験してこなかった類の様々な困難に直面し、国際的には冷戦の終結による超大国としての米国の登場とその後の多極化の進展という過渡的な時代となったのが平成という時代でした。

そして、この5年間を振り返ると、令和時代は世界的には新型コロナウイルス感染症の感染拡大やロシアによるウクライナへの侵攻やイスラエルとパレスチナの紛争などによる社会の分断や国際秩序の動揺などが重要な出来事として発生し、あるいは現在も続いています。

また、国内的にも「コロナ禍」が既存の制度や仕組みの持つ矛盾や不十分さを明らかにするとともに、平成時代に始まった経済的な格差の拡大が依然として続くだけでなく、安倍晋三元首相の銃撃などの凶悪な犯罪や急速な物価高や円安の進展など、社会不安を増幅させるような出来事も発生しています。

このように考えれば、令和という時代の日本は、美しい調和を目指すという命名の由来を実現するために格闘しているのが実情であると言えるでしょう。

一方、人工知能の急速な発達による新たな価値の創出や従来の判断基準の変化と発展、さらには「コロナ禍」後の国際的な交流の一層の活性化などのように、面目を一新する状況も生じています。

もちろん、この5年の出来事をもって令和という時代の特徴を規定することはできません。

それでも5年の間に予想もされなかった場面が次々に現れる様子は、これからも先行きが見通せないだけでなくわれわれの考えの及ばない新たな社会のあり方が到来することを予感させます。

その意味で、令和時代の最初の5年間は、今後の日本と世界のさらなる発展のための重要な基礎となる日々であったと言えるでしょう。

<Executive Summary>
Celebrating the First Five Years of the Reiwa Period (Yusuke Suzumura)

The 1st May, 2024 is the 5th Anniversary of the Reiwa Period which started on 1st May 2019. On this occasion, we examine the meaning and prospect of this new age.

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