99年前の関東大震災からわれわれは何を学べるか

今日、1923(大正12)年9月1日の午前11時58分に関東大震災が発生してから99年目を迎えました。

震災を実際に経験した人の数も年を追うごとに減少し、被災者の話を直接耳にした人も少なくっているという現状を考えれば、関東大震災が今や教科書に掲載される歴史の中の出来事の一つとして定着しています。

また、1923年当時と現在とでは建築技術の向上や建築物の耐震や防火の基準の厳格化が進み、いわゆるハザードマップなどの整備も進む一方、種々の建物の高層化や東京都内の人口の稠密化も顕著です。

それだけに、両者を比較して「もし現在関東大震災クラスの地震が起きたら」といった想定をすることは防災当局者にとって重要な意味を持つとしても、それ以外の人たちにとっては現実的な話題ではないと思われるかもしれません。

しかし、防災対策のあり方を見直し、「地震は予知できる」といった考えの不適切さを確認する、あるいは災害時における流言蜚語がもたらす混乱と不安な心理状態が人々の行動に与える悪影響を理解し、いかにして不幸な事態を防ぐかは、重要な取り組みとなります。

自然環境や地形の状況から、地震だけでなく、台風や火山噴火など、様々な自然災害が起きるのが日本の現状です。

それだけに、歴史的な出来事を過去の話題とせず今のわれわれが学ぶべき教材とすることは、決して無駄なことではありません。

年に1回だけでも、防災や減災について考える日となるのであれば、9月1日という「防災の日」の持つ意味は実に大きいものなのです。

<Executive Summary>
How Can I Learn from the Great Kanto Earthquake? (Yusuke Suzumura)

The 1st September, 2022 is the 99th Anniversary of the Great Kanto Earthquake occurred on 1st September 1923. On this occasion we examine lessons of the earthquake from which we can apply for our everyday life.

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