【参加報告】EToS・HIJAS共催シンポジウム「漢陽と江戸東京 それぞれの暮らし」

昨日は、13時から18時まで法政大学江戸東京研究センター・法政大学国際日本学研究所の共催シンポジウム「漢陽と江戸東京 それぞれの暮らし」がオンライン形式により行われました。

今回は、14世紀末に朝鮮王朝の首都として発展した漢陽と世界屈指の大都市となった江戸とを対比することで、二つの都市の生活文化のあり方が検討されました。

各報告では、柳得恭(1749-1807)の歳時記『京都雜志』「風俗編」をもとにまとめられた秦京煥の『조선의 잡지 18~19세기 서울 양반의 취향』(朝鮮の雑誌--18~19世紀ソウル両班の趣向、2018年)から選ばれた4つの章の内容に基づき、各報告者が議論がなされました。

報告者と論題は以下の通りでした。

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(1)土田牧子(共立女子大学)
18世紀の江戸と漢陽における舞台芸能の諸要素--「演奏と踊り、そして芝居」の章から
ディスカッサント:山田恭子(近畿大学)

(2)金美眞(韓国国立芸術総合学校)
18-19世紀の漢陽と江戸の市場、その中を覗いてみる--「市場にはあらゆる食べ物と詐欺師、そして語り手」の章から
ディスカッサント:金谷匡高(法政大学)

(3)市川寛明(江戸東京博物館)
園芸文化で比較する漢陽と江戸--「花を育て、木を植える」の章から
ディスカッサント:横山泰子(法政大学)

(4)鄭敬珍(檀国大学校)
江戸、漢陽にみる花見と遊山--「花見はここで」の章から
ディスカッサント:高村雅彦(法政大学)

(5)総合討論
発言者:染谷智幸(茨城キリスト教大学)/田中優子(法政大学)
司会:小林ふみ子(法政大学)
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4件の報告と総括を通して、漢陽と江戸における生活文化の共通点と相違点が実証的に明らかにされ、今後の江戸東京研究を東アジアの枠組みの中で進めるための重要な視点が得られました。

<Executive Summary>
EToS' Symposium "Hanyang and Edo-Tokyo Each: Each Life, Each Culture" (Yusuke Suzumura)

The Hosei University Research Center for Edo-Tokyo Studies held a symposium entitled "Hanyang and Edo-Tokyo: Each Life, Each Culture" under the cooperation of the Hosei University Research Center for International Japanese Studies via Zoom on 20th February 2021.

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