【追悼文】間宮芳生先生について思い出すいくつかのこと
去る12月11日(水)、作曲家の間宮芳生先生が逝去しました。享年95歳でした。
東京音楽学校を卒業した直後にアルト歌手の内田るり子のピアノ伴奏を務めたことを契機として、日本の民謡による独唱とピアノのための作品を手掛けようとしたことで、日本の民謡を数多く調査したのはよく知られるところです。
すなわち、内田は歌手としのて活動とともに民俗音楽学者としても研究を重ね、国立音楽大学で教鞭をとっていたことが、間宮先生に日本の民謡の持つ掛け声や囃子言葉の多様さを教えることになりました。
その結果、囃子言葉を主とする『合唱のためのコンポジション』の連作や24曲の独唱とピアノのための『日本民謡集』など、日本の交響管弦楽史の重要な成果と言うべき諸作品が誕生しました。
私も、1996年1月19日(金)に「日本の作曲家シリーズ」の第19回目として東京文化会館で行われた東京都交響楽団の第422回定期演奏会が間宮先生を特集した際、鑑賞したことが思い出されます。
この時は、『合唱とオーケストラのためのコンポジション』第4番「子供の領分」、ピアノ協奏曲第2番、そして『オーケストラのためのタブロー'85』が取り上げられました。指揮は井上道義、ピアノ独奏は岡田博美でした。
特に、東京放送児童合唱団による児童合唱が効果的に活かされ、作品の輪郭を鮮やかに描き出した「子供の領分」は、生き生きとした合唱と旋律の重なり合いがひときわ印象深く思われたものです。
この他にも、歌劇、前衛音楽やジャズに着想を得た管弦楽曲や室内楽曲、映画やテレビ番組への附随音楽など、多くの分野で佳作を残したのが間宮先生でした。
その他年にわたる活動に感謝するとともに、改めてご冥福をお祈り申し上げます。
<Executive Summary>
Miscellaneous Memories of Mr Michio Mamiya (Yusuke Suzumura)
Mr Michio Mamiya, a composer, had passed away at the age of 95 on 11th December 2024. On this occasion, I remember miscellaneous memories of Mr Mamiya.