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巡礼の手引き:スペイン サンティアゴ巡礼 2

巡礼準備あれこれ②

 これを読んでくれている人で巡礼の意味を考えて行くことを躊躇している人や、行こうと思っているけど、気分が盛り上がっていない、という人は何冊か関連する本を読んだらいいかもしれない。
 お勧めは、それは当然のように明記するけど、このサイトにある。(笑)
「星の降る街」(天田祐介)
 で次に、
「星の巡礼」(パウロ・コエーリョ、角川文庫)

 その他にもたくさんあるが、自分で探してみて欲しい。そこからが巡礼だから。ちなみに写真集とか街道沿いの有名教会などはよほどの健脚の持ち主で、健康ではないと歩いた後に訪れることは体力的に不可能だと思う。
 したがって、先に写真集などを見るのはいいかもしれない。実際の巡礼となると、大抵は午前中歩いて、午後に洗濯や休憩、夕食後はすぐに寝る。この繰り返しだ。馴れてくると大丈夫だが最初はきつい。
 巡礼のコースは先の稿にも書いたが、数多くあるが、日本からだとやはり初めてならフランスのサンジャン・ピエ・ド・ポーからの通称「フランス人の道」というコースになる。
 一般的には日本からパリに行き、フランス国鉄TGVでバイヨンヌ、そこからバス。バイヨンヌから途中まで在来線もあるが、運航日の確認作業とかで不便だろう。バイヨンヌ駅の改札を出て、左側に日本のみどりの窓口のような切符売り場があり、そこでバスのチケットを買う。基本的には午前中に乗りたい、なぜなら出発地のアルベルゲが満員になって、高いホテルに泊まる羽目になる。
 着いたら、まず事務所に行って、クレデンシャル(巡礼手帳)に出発地のスタンプを貰う。そこで当日宿泊するアルベルゲ(安い巡礼宿)の手配をしてもらう。

巡礼手帳

 アルベルゲに荷物を置いたら、まず、巡礼者のシンボルとなるホタテ貝を買い求めリュックに付けよう、歩く時に必要な杖(ないとほぼ無理)、ハムやチーズを切るナイフを買う。道中、道に迷うこともあるかもしれないが、リュックにホタテ貝を付けた人に付いていけば大抵間違いない。

筆者が持ち歩いた貝

 日本を出る時に大方は準備しているだろうが、上記は持ち歩くのは何かと不便なので、ここで買い求めた方がいい。飛行機にはナイフは持ち込めない。杖は余分な料金を払う事になる場合がある。
 アルベルゲではリュックの中身を確認しよう。何か忘れ物があった場合はここで買わないと3,4日目に到着するパンプローナまで買い求められない場合があるからだ。
 持参するものは個人によって違うが、泊りがけでハイキングや登山すると思って用意すればいいと思う。ただ、行程が長いので、重さは10キロ以内が一般的でリュックの大きさは30から50リットルのもの。筆者は30にした。
 下着やTシャツは季節によって違うが多く持っていきがちになる。しかし、どこでも洗濯出来るので三日分あれば十分。洗剤は小分けのものがいい。注意したいのは靴で、ウォーキングシューズでもいいが、トレッキング用のものが望ましいし、少なくとも一カ月くらいは履き馴らしていくのが賢明。スマホの充電ケーブルは忘れないように。持病のある人は薬持参は当然だが、無くした時のために薬の名前を英訳しておこう。商品名ではなく、成分名。処方箋に書いてある。
 4月から9月までに行く場合には厚着はしないが、その分、汗をかくのでズボンの予備は必要。湿度が高く乾かない場所も多いので基本的にはタオルを含めて速乾性のものを選ぼう。日焼け止めは必需品。紫外線は強烈。アフタークリームも必需品かもしれない。ちなみに私は持っていかなったために水膨れになり大変な思いをした。
 ちなみに最初の三日間歩くピレネー山脈は一日に四季があると言われているので服装にも注意が必要。ジャンパーなど上着のポケットには巡礼手帳、スマホ、財布などを入れるだろうから、シャツで寒暖対策した。

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