(小説)星の降る街 1
飛行機は何度か雷を受け機体を大きく揺らしながらパリのシャルル・ド・ゴール空港に着陸した。機内からターミナルに繋がる渡り廊下が劣化しているのか、内側に激しい雨が滲み込んでいた。窓の外を見ると午後三時とは思えないほど暗い。
乗客の波に押されるように入国審査へと向かった。先頭の方で何かトラブルがあったのか人が多過ぎるのか、EU内国籍のゲートは順調に流れていたが、それ以外の何か所は全くといっていいほど進まなかった。普段なら怒り心頭に発して、心の中で毒づくところだが、無感情のまま立