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巡礼の手引き:スペイン サンティアゴ巡礼 5

巡礼準備あれこれ⑤

 巡礼の準備を復習しよう。
〇小説や写真集、ガイド本で知識を高め、気持ちを高めよう。
〇具体的に日程が決まったら、サンティアゴ友の会で巡礼手帳(クレデンシャル)を求めよう。
〇予算を整理しよう。昨今航空運賃はじめ、値段がよく変わるので注意。とくに為替は意識しておこう。(なお、巡礼時とはいえ、物騒な話をよく聞くので、なるべくクレジットカードを使い現金は計算して持っておきたい。ちなみに円からユーロに交換するのは日本やパリでした方がいい。巡礼路は交換率が悪い)
〇持っていくもの、リュックの中身。むろん、パスポート、旅行保険など。
〇体力を作り、英語などの語学を少しでも身に着けよう。すでに語学堪能な人はスペインの歴史などを勉強していくのもいい。道中、中世そのままの村や建物も数多くある。

 上記以上の準備はあまりいらない。スマホさえあればすぐに調べられるし、スマホを使いこなせない人でも準備していれば困ることはあまりない。巡礼に赴く人は基本的に親切だし、そうではない人もなぜか日を重ねるうちに合わせるかのように良い人になる。カタコトでも大丈夫。一番悪いのは恥ずかしがって話をしようとしないこと、なんでもトライしよう。
 ただ、巡礼時には心に大きな傷を負って救済を求めて歩いている人もいる。デリカシーをもって接したい。
 筆者は一人で行ったが、半数以上は二人、家族単位、まれに大きなグループという感じだ。一人だと自分のペースでいいが、それぞれの人が体力が違うので、友人同士で行く場合は次のアルベルゲや休憩場所にする村を決めておいて待ち合わせするのを奨める。併走は案外疲れるからだ。欧州の人は結構そのようにしていた。家族単位なら労わりながら進もう。
 あとは現地で自分の心模様の変化を楽しんでほしい。
 この準備編であえて宗教的なことを書かないのはそれぞれが感じて欲しいからだ、帰国して教会に通うようになった人、あるいはいいハイキングだったとまるで宗教には興味を持たない人、興味は持ったけど教会には通わない人。いろいろな人を知っているが、この人は悪い人生になったな、という人は皆無だし、思い出話をするとみんないい顔になる。巡礼は、大変な道のりであったが、筆者は何にも代えがたい経験をしたと確信を持っている。
 では行ってらっしゃいませ。
 ブエン・カミーノ(良い巡礼を)

付記 恥ずかしい人にならないために一つアドバイス。日本人が持つスペインのイメージの中に、フラメンコ、闘牛、食べ物ではパエリヤとかがあるが巡礼路のある北スペインはいずれも縁が無い。
 人々の雰囲気も南の陽気さはなく、イギリス人、あるいは日本人に似ているかもしれない。
 フラメンコが見たい、と駄々をこねている人を見て、同じ日本人にみられたくなくて、私はしずかにそこを去ったことがある。後、巡礼にはお洒落に不向きです。サリアから参加する日本人を何人か見かけたが、人前で化粧直しはしない方がいい。この手の恥ずかしい行為は大抵が日本人だと近くのバルの店員に言われてとても情けなかった。

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