スタッフが動かないのではなく、動けない、残念なコミュニケーション
こんにちは、北村(@PLAN-B)です。
今日は、チーム・組織内におけるコミュニケーションについて、
僕のご支援はスタッフさんのマネジメントに関する割合が多くて、
その結果、取り扱うテーマの多くがコミュニケーションの課題になります。
僕があまり好きじゃない表現の
「最近の若い子はさぁ・・・」っていうのも、
「普通だったら・・・」と思う予想を超えてくる言動、、、によって芽生えてしまうものだと思いますし、
つまりコミュニケーション表現のギャップに起因してると感じます。
で、コミュニケーションの課題を取り扱うと、
課題の性質が、
院長(経営者) → スタッフ、、、と、
こういう上の立場の方々が、
下に対して認識している課題になるケースが多いように感じますが、
いや実はそんなこともなくて、
スタッフさんが、上の立場の方々のコミュニケーションに課題を感じていることも少なくなくて、、、
今回の記事では、
こんな内容を取り上げて、
動物病院内でのコミュニケーションの根本的な課題についてシェアさせていただきますと思います。
スタッフの資質の問題・・・?
スタッフさんに関するご相談で、
院長先生からよくいただくものが、
これらがあります。
常に状況が変わっていく動物病院の現場で、
先を読みながらスタッフさんには動いていただけないと、
現場を取り仕切る院長先生やマネージャー層の方々からすれば、
ダイレクトにイライラの原因になっていると思います。
ただでさえ、お待たせしてしまっている飼い主さん方を前にして、
こういった状況に直面する数が増えれば増えるほど、
イライラの沸点が下がってしまい、
ちょっとしたことで、声を荒げそうになってしまう、、、
なんてことは、大袈裟にいっても日常茶飯事だと思います。
一方で、自分で考えて動けるスタッフさんがいるのも事実で、
そうやって、できる人とできない人がいるということは、
スタッフさんご自身のそもそもの資質の問題とも言えると思います。
動かないだけなら、流れの中でのルールを決めて、
動いてもらうようにチームとして工夫されていくと思うんですが、
逆に勝手な思い込みで行動してしまうスタッフさんがいたりもするからややこしい。
勝手な思い込み系は、プライドが高いスタッフさんや、チームの雰囲気に起因することも少なくないんですが、
周りに確認しないで思い込みで物事を進めてしまう、、、
忙しくなければ周りが気付けるんですが、
忙しいと周りも気づけないので、ある程度、状況が進行してしまってから発覚する、、、
そうなってしまうと、リカバリーに2倍、3倍の労力を割かれて、
さらに効率が悪くなっていくという、、、
こういう状況の中で、
やはり、スタッフさんのそもそもの資質ばかりがフォーカスされてしまうと思うんですが、
僕の経験上、
そういった捉え方をされているうちは、課題解決しないと思っています。
実際、現場に入って、さまざまな方向から検証を進めると、
スタッフの資質の問題で片付けてはいけない、根本に気づくことが多いです。
頭の痛い話かもしれないですが、
そう、院長先生やマネージャー層に原因があることも少なくないんです。
意図や背景は相手には伝わらない
ここでは、大きく2つポイントをあげたいと思うんですが、
この3点がチーム内でのコミュニケーション問題の原因だったりします。
コミュニケーション未満について
あえて、コミュニケーション未満、という聞きなれない表現を使いましたが、
何が言いたいかというと、
意思疎通のためのコミュニケーション頻度は通常以上おこなわれているんですが、
その中身の「質」が極端に悪いケースです。
これは院長先生や獣医師の先生方に多い印象ですが、、、
どう悪いかというと、言葉が足りないんです。
動物病院スタッフさんの座談会でもすれば、必ずといっていいほど、
挙がるテーマだと思うんですが、
院長含めて、獣医師の先生方は頭がいいですし、
そもそも現場では常に頭をフル回転されながら、各症例の診断や治療を進められていると思うので、
仕方ないと言えばそれまでなんですが、
コミュニケーションが脳内完結されてしまっていて、
これが悪循環を招きます。
スタッフさんは言葉が足りなくて要領を得ないから、
自分で考えて動くよりは、一旦、指示を待ってから動いたほうが間違いが少ない、
そう判断していってしまうから、
院長先生からすれば、なぜ動かないんだって、動けない理由があるわけですし、
なかなか、言葉が足りません、、って言えなかったりするんです。
雰囲気について
そして、この雰囲気についても、とても多い状況なんですが、
忙しいと、どうしても院長先生や先生方がイライラとされてしまって、
ご本人方はそうしないように努めていただいていても、
やっぱり、その雰囲気は出てしまっていて、
その状況の中で、言葉が足りない、主語が抜けてる、、となると、
これはもう、「えっ、どういう意味でしょうか?」なんて聞き返せなかったりします。
ピリピリとした雰囲気の中で、、、、
想像するだけでも、精神衛生上、よくない環境が生まれていることが多いです。
3分の1も伝わらない
最後に、これはそもそも言葉が抱える課題ですが、
コミュニケーションの相手には、意図や背景が伝わりづらい、ということです。
チームマネジメントに限らず、
家族間でもそう、恋人同士でもそう、
言葉の発信者側が、丁寧に意図や背景を説明しないと、
自分が考えている以上に、その意図が伝わっていない
ということです。
先ほどの脳内完結してしまっているという点とも被るわけですが、
ただでさえ、意図が伝わらないのに、
さらに言葉が足りないとなってしまうと、これはなかなか厳しい状況だと思います。
さらに、ここで注意していただきたのが、ご自身を基準に考えてしまっていないかということ。
意図を読む力、前後の脈絡から予測する力、
こういった点が優れているから獣医師にもなれているし、
開業獣医としてやっていけている訳で、
スタッフさんの資質の問題と被りますが、
スタッフの皆さんが、ご自身を同じレベルでそういった資質を持ち合わせてるとは思わない、期待しないでください。
積年経過で蝕まれていくチーム
こういったことが、
程度の差こそあれ、ひとつひとつのチーム・組織に課題として眠っている訳で、
僕が様々な病院で感じるのは、
こういった課題が今起こったことではなく、積年経過して、積み重なっていることです。
院長ご自身がこういった課題が当たり前のようにあることを認識されて、都度、正していくことができないと、異常が普通となっていってしまう。
これも集団の怖さであり、習慣の怖さでもあるんですが、
長年積み重なっていってしまうと、
物事が進まない、滞ってしまう、何が原因だったのかが見えなくなってしまうんですね。
例えば、
スタッフ同士で挨拶をしない
院長からの指示に返事をしない
こんなのは誰がみても異常なんですが、
ちょっとしたことを正さずに見逃して、時間が経過してしまうと、、、
信じがたいかもしれないですが、挨拶し合わないのが普通になってしまうんです。
採用面の話を急に取り上げますが、
例えば、実習には来てくれるのに、内定には至らない人が多い、、
この場合も、正常な感覚の人が異質な雰囲気のチームに入れば、
その違和感を肌で感じてしまうので、
あっ、この職場やばいな、と危険を察知して回避行動をとってしまっているかもしれない、、、。
こういったことは考え過ぎかもしれないですが、
そのぐらいコミュニケーションはマネジメントにおいて重要であり、怖いものでもあると現場で日々実感していますし、
チーム・組織としては残念な結末しか残っていないように思います。
もしチームが思うように動かないと感じたら、
・コミュニケーション未満
・雰囲気
・3分の1も伝わらない
これを思い浮かべていただいて、
ご自身の言動を見直す機会を設けることをお勧めしたいですし、
スタッフさん自らは言わない、発覚しづらい性質のこともあるので、
一度、第三者に入ってもらい確認してもらうことをお勧めします。
もちろん、僕もこういったご相談、スタッフさんのヒアリングなども日常的におこなっていますので、もし変わらない現状がおありでしたら、お声がけください。
今回の記事では、
こんな内容をシェアさせていただきました。