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2024年7月~9月に読んだ本

この3か月は読めなかったなあ~という印象。
今回読んだ本はほぼ8月に読んだ本。7月・9月は1冊ずつくらいかな…と思います。



『データサイエンス入門以前』 著:阿部圭一

データサイエンスという言葉に惹かれたけど、中身は統計関係の本で読んだことのある、データとは何か・統計とは何かといった内容という感じ。
私も統計は勉強中だけど、それでも非常に基礎の基礎というところがわかった。例示が多くイメージしやすいものの、もうちょっと深いところまで知りたかった感。それはおそらく別の本で、ということだと思う。
全くデータやグラフの知識がない方にはおすすめ。ある程度知っている方はもうちょっと難しい本が良いかと思う。



『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』ビル・パーキンス (著), 児島 修 (翻訳)

人に勧められて購入。
要するに、死ぬときにどれだけお金を持っていても無駄でしょ、だったら何らか体験できるうちにお金を使うべき、という内容。
私も、20代の頃はクレジットカードの引き落としが出来ないくらいお金が無かったり、友達の結婚式のご祝儀の捻出に苦労したりしていたので、やっぱりお金が無いと不安。でも、確かに節約して65歳とかで2,000万3,000万あったとして、それを何に使うかという話。特に日本の国民皆保険なら医療費も一定額だし、まあ老人ホームや介護費用はかかるかもしれないけど、それに怯えて体が動くうちにお金を使って得られる体験を控えるのは間違いかもという気持ちになった。今30代後半だけど、20代の頃とは全く体力が違うのを実感するし、これがあと5年経ったらなおさらであるということを考えると、貯金をし続けることと、今体験できることにお金を払うことの天秤をもっとちゃんと考えなければと思った。
また、「時間を作るためにお金を使うと人生の満足度が増す」というのは素晴らしい発見だった。これは今後生きていくうえでの一つの指標となりそう。



『〈つながる/つながらない〉の社会学-個人化する時代のコミュニティのかたち』柄本 三代子 (著), 小村 由香 (著), 加藤 篤志 (著), 渋谷 望 (著), 鈴木 俊介 (著), 道場 親信 (著), 吉野 ヒロ子 (著), 長田 攻一 (編集), 田所 承己 (編集)

別noteに書いたゲーム『ムーンレスムーン』の理解のために購入。

時代によるコミュニティの変遷が書かれていて面白かった。
特に、昔は自分のいる場所、例えば家や村や学校や会社でのコミュニティのみだったけど、現在はインターネット、SNSの発展により「体がある場所のコミュニティに必ずしも100%属している」とは言えないのが気付きだった。つまり、学校で授業を受けていても、職場で仕事をしていても、スマホを使って趣味のLINEグループでやりとりをすることで、遠く離れたコミュニティに属することもできる。これはつまり、必ず体がある場所の人間と友人にならなくてもいい、状況に応じて付き合いを変えることができ、現代の若者はそういう行動が増えている=コミュニティが個人化して複雑化している、そんな認識を得られた。
仕事や人生全般に応用できそうなことが書かれていた本で、そこまで難しくもなく、とても勉強になった。



『一ノ瀬ユウナが浮いている』著:乙一

乙一さんの作品は高校生時代結構読んでいたので、たまたま本屋で見つけて購入。
好きだった女の子が不慮の事故で亡くなってしまうが、線香花火を灯したときだけその子が姿を現す。でも、その線香花火は製造中止となっており、残りの本数はどんどん減っていって…という恋愛小説。
こんなの話の流れやオチは予想できるというか、帯にも「感涙必至」と書かれているからどういう展開かは読めるんだけど、それでもやっぱり最後のほうは涙無くしては読めなかった。
なんかこう、いい人しかいない小説でしかも切ないともう完全に退路を塞がれたというか。
夏にぴったりの爽やかで泣ける青春小説だった。



『天才少女は重力場で踊る』著:緒乃ワサビ

可愛い女の子の表紙もそうだけど、著者の緒乃ワサビさんがノベルゲーの作者ということで興味を惹かれ購入。タイムパラドックスもので、未来から届いたメールは大人になった天才少女から。そこには、「わたしとあなたが恋をしないと世界は終わる」というメッセージ。かくして、主人公は世界を救うために、(現在、一緒に研究をしている)天才少女と恋をしないといけなくなった(好きになってもらわないといけなくなった)という話。
いわゆる、「コミュニケーションは不得意だけど普通の学生生活に憧れている少女」というキャラクターが王道だけど可愛いし、なぜ未来からそんなメッセージが来たか、そしてそれを妨害するようなメッセージも届き…といった、ミステリ的でもあるところが面白かった。濃密な恋愛小説ではないけれど、だからこそ爽やかに読める青春小説。読みやすさとわかりやすさで、5時間ほどで一気読み。シュタゲっぽさも感じる、いい小説だった。



『ドキュメント』 著:湊かなえ

元陸上部で、怪我のため陸上が続けられず放送部へと入部した男子高校生が主人公の青春小説。
特に鬱屈したところはなく、なんか淡々と進んでいくな…という印象。
それもそのはず、読み終わってから知ったんだけど実はシリーズ物の続編だそうで…。(1作目は『ブロードキャスト』)
どうりでキャラクターの波風が立たずに話が進んだなと思った。
とりあえず思ったのが、文庫本の背表紙のあらすじにとある事件が発生するということが書いてあるんだけど、その発生までがめちゃくちゃ長い。上記の通り、続編と知らずに読んで淡白な流れにやや飽きを感じてしまったのは間違いないんだけど、ちょっと展開ゆっくりすぎないか!? と思ってしまった。
まあでもそりゃあ続編からゲームやったって面白さは半減なんだから、今一つハマらなかったのは自己責任かな…(でも帯とか背表紙とかどこかには『続編です!』って書いてほしかった気もある)



『凛として弓を引く』著:碧野 圭

高校1年生の矢口楓が、弓道会に入り弓道のことを学びつつ成長していく物語。
スポーツものは好きだけど、例えば『一瞬の風になれ』みたいなリレーという協力する物語、ライバルとの競争だったり、『武士道シックスティーン』みたいなライバルとの対決だったり、必ず他者がいるものばかりだったので、こういう自分と向き合う競技をテーマにしたのは初めてかも。
さすがに剣道の試合の描写と弓道は全く違うもので、弓道は時間がゆっくりとして内省的な印象を受けた。どちらかというと、弓道でうまくなる! というより、弓道を軸とした考え方、そしてそれを取り巻く人々とのドラマという感じ。
主人公の矢口がやや引っ込み思案なのも、弓道というテーマと合っていたと思う。激しかったり熱い展開はあまりないけど、まさに静かな弓道場でゆっくりと「感じる」小説だった。



終わりに

小説ではないですが、改めてルックバックやさよなら絵里を読んだりしてました。漫画は普段全然読まないんですが、映画の影響で……。
最近仕事の関係でリモートが多くなり、通勤時間分自由時間が増えたんですが、一方で不思議なもので、通勤時間に本を読むというルーティンがなくなったせいで逆に本を読む時間が少なくなったという…。
しかしリモートが多くなった分本屋で衝動買いすることも少なくなってはいるので、どうにか1日30分でも本を読むルーティンを作りたいところ。
月3冊は読みたいが…。ゲームも積んでいるので意地でも時間を作っていきたい。


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