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donchan_13
世の中は偶然があふれた不確実な世界。その世界を生き抜くための思考法とは。
今回の読書記録は「確率論的思考/田渕直也」です。
「たまたま―日常に潜む「偶然」を科学する/レナード・ムロディナウ 」という本でも読んだが、人間がいかに多くのケースで偶然を必然と捉えているか。この本では非確率論的思考と表現している因果論、二元論、結果論などが、その思考にあたる。これから◯◯が上がる可能性は◯パーセントで、下がる可能性は◯パーセントという主張(確率論的思考)よりも、確実に上がる(非確率論的思考)と説明された方が、より強い印象を与える。そのため、世の中でも非確率論的思考法が多く取り入れられていると思う。確率論的思考は仮説や検証による試行錯誤も重視されるため、タイパが重視される時代には手間もかかるため、敬遠されるのではないかとも感じる。
勿論、確率論的思考で捉えれば、絶対に成功するケースはないということも理解すべきだが、成功の確率を高めるためには、確率論的思考が必要であるということを、本書では過去の事例(歴史上の出来事や会社経営者など)を用いながら、説明をしてくれている。
確率論的思考とは、多様性を受け入れることであり、失敗を許容し、失敗を成功のタネにすること、長期的な視点を持つことである
確立論的思考の特徴
・多様性の確保
・失敗の許容と活用
・長期的視点
・認知バイアスの回避と統計的手法
・仮説・検証型アプローチによる予測
・試行錯誤で少しずつ作り続けていく
より物事のスピードが上がり、個性も多様化する中で、不確実性が高まっている今日この頃、ただそれも我々の勘違いでもとから世の中は多くの偶然で成り立っており、技術が発達し、確実だと思っていたことがやはり不確実だったと証明できるようになってきたということなのかもしれない。
この不確実な世の中を生きていかなくてはいけないなか、確率論的思考を自分の中で、醸成していきたい、いくべきであると考えさせてくれた本であった。