![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/142727814/rectangle_large_type_2_36c7183061f662f644d8c0059f66f23d.png?width=1200)
転職、その後の2年
2023年上旬のある月、約10年勤めた会社を辞めて、新しい職場で働き始めた。
そして、もうすぐ2年が見えてくる。
転職後2年の節目を前に、前職を辞める決定打の一つになった出来事を思い出す。
昇格が頭打ちになることが確定した私が(その理由というのが、産育休を取ったからと実質告げられているのだから、すさまじい世界だと改めて思う)、転職を考えていると察したのだろう。
上司は「お前なんてよそでも通用しないぞ」と言い放った。
今思えば紛れもないパワハラなのだが、私は気性が荒く、復讐心を原動力に跳ぶタイプの人間なので、ビビるどころか「じゃあやってみせてやるよ。この会社しか知らないお前の見立てがどれだけ正しいのか、身をもって検証してやるよ。目に焼き付けろやクソジジイ!!!!!!」と、転職への決意を固めたのだった(さすがにその場では口に出さなかったが)。
おかげで一切の迷いなく転職活動に臨めたので、今では最高の餞だったと思っているが、それでもやはり、その言葉は呪いのように脳裏にこびりついていた。
本当に、私はよそでは通用しない人間なのかもしれない。この会社と合わないだけだと思っていたけれど、人間的に欠陥があるのかもしれない。クソジジイには微塵もビビっていないが、そんな恐怖心はずっとあった。
そんな呪いを脳裏にこびりつかせながら、転職活動をし(幸いなことに転職活動は順調に進み、最初に受けた一社に決まったので一瞬で終わった)、未経験の仕事に飛び込んだ。
そんな、約2年の総括。
ぜんっっっっぜん、通用しました。
復讐心を原動力に、しっかりばっちり、跳びました。ありがとう。
この約2年で、前職時代にぼこぼこにされた自己肯定感もすっかり回復して、精神も元気になった。
家庭を一人で切り盛りしなければいけない状況は前職時代とは変わらない(むしろ前職時代より子供が増えた分、悪化しているともいえる)状況で、一人前に期待してもらい、責任を持って仕事をさせてもらえた。期待と責任を糧にたくさんたくさん学ばせてもらった。
ちなみに、仕事の内容もよく理解できないまま未経験で飛び込んだ仕事だけれど、今はこの道で、地道に末永く働いていけたらいいな、と思っている。ありがたいことです。
存在意義とか、自己肯定感とか、そんなものを取り戻させてもらえた、もうそれだけでお腹いっぱいなのに、年収は軽く倍になったし、ほぼフルリモートの在宅勤務で引きこもり人間には最高の環境だし、昇格の打診ももらったし(「少し背伸びをしてみて…」という話だったので、プライベートとの兼ね合いで無理が利かない中受ける度胸がなく、今回は見送ってもらった。そういった判断も尊重してもらえることに心から感謝している。今年こそはちゃんと昇格したいなと思う)、何より「これからも期待している、頼りにしている」と、評価や処遇でも示してもらえたことが、とにかくとにかく、もう涙が出るくらい嬉しかった。
転職したからといって、私は自分を何か変えたつもりは全くない。むしろ、前職では押し殺していたような気質も前面に出しているし、仕事に向き合う姿勢も変わらない。
けれど、評価は一変した。
今思えば、産育休を取った総合職は昇格できないという不文律があったから、定量面では文句をつけられない以上、定性的なところにイチャモンをつけるしかなかったのだろうとわかるのだけれど、組織になじまないとか、輪を乱すとか、上司にたてつくとか、そういう人間性敵なところでマイナスを食らってきたが、そんなこと、現職では一度も言われたことはないし、何なら前向きで向上心があるとか、コミュニケーションが円滑だとか、人間性的なところを評価してもらって仕事をもらえている。ありがたいことです(2回目)。
(※現職はプロジェクトワークなので、上司が一緒に仕事をする部下を選ぶ権限を持っており、評価されないとナチュラルに干される)
やはり、大人になって、もう10年以上社会人をやっている今更、人間性はそう変わらない。会社だって、もう何十年も存続している以上、並大抵のことでは風土も組織も変わらない。
変えるべきは自分ではない。もちろん、会社でもない。居場所だ。
(これ転職エントリや退職エントリにもさんざん書いたけれど、本当に大事なことなので何度でも言います)
評価してもらえないのは環境が悪い、なんて他責思考に逃げることを勧めるわけではないけれど、どう考えたって相性や理不尽が、この世にはある。
そんなものから離れることは弱さではないし、悪でもない。
相性最悪で理不尽の嵐だった前職で10年耐えてしまった私にこそ必要なことだったとも思うが、タイミングやめぐり合わせがあって現職に居られるので、まあそれはそれで良しとしよう。
「努力は報われる。私は私として、社会から期待され、必要とされている」
私の人生の土台にあったものを思い出させてくれた今の会社に、上司たちに、同僚たちに、心から感謝している。
がむしゃらに働いてプロモーションして…という形で貢献することは、私にはまだしばらくできない。けれど、そんな日もいつか来ることを信じて、私に今できる精いっぱいの仕事をして、できる限りの恩返しをしていきたい。そんなことを胸に、仕事に、育児に、励む日々です。