食レポ|華正樓 高島屋新横浜店
日韓戦の前に腹を満たした。ゆとりのある新横浜駅のコンコースを抜け、上階へと向かうエスカレーターに身を預ける。周囲に視線を配った。その店は正面の奥まった場所にある。「華正樓 高島屋新横浜店」だ。
巨大なショーケース。横に置かれたレジ。それらから身を隠すようにして、八畳ほどのイートインが広がっていた。カウンターへと腰を落ち着ける。
中華焼きそばが無性に食べたくなる時がある。熱を帯びたあんに浸る具材の数々。ソース焼きそばのような鋭い主張はない。しかし、丸みのある味わいに舌は鳴る。多様な表情を持つ麺にも絶妙に適合する。僕は「五目あんかけ焼きそば」を注文した。
あんは光を受けて表面が光沢を放つ。たっぷりと入った白菜に大ぶりな海老。高い熱を保つあんは口の中でそれらの食感と交わる。細く、硬めに揚がった麺は香ばしい。そして、中華焼きそばに酢は欠かせない。酢を上から何度も注いだ。注ぐたびに、食欲の軌道は上昇する。
「五目」とは具材ばかりではない。食感も味わいも、五重の楽しみが折り重なっていた。