小説が書けない男の日記(2023.4.2〜4.8)
4月2日(日)
昨日に引き続きお花見。けれど今日は歩いて薬師堂の方へ。あにちゃんがストライダーと一緒にどんどんと歩くようになっている。おととはベビーカー。お寺に着く前にパン屋でお昼ご飯。お寺ではおととをベビーカーからおろして自由に歩かせる。鳩を追いかけて遊んでいる。最近よく笑うようになってきた。よく泣くけれど。あにちゃんはお賽銭を上げておみくじを引く。末吉。正月もあにちゃんは末吉だったような気がする。それは私だったか妻だったか。今のところ悪いことはそんなには起きていない。桜は満開で、鳩の羽ばたきに花や枝を揺らしている。天気は晴れなんだか曇りなんだかわからない、なんとなくうすら寒い。コンビニで温かいコーヒー。また歩いて帰る。あにちゃんは疲れてベビーカー。私はおととをエルゴで抱っこし、片手にストライダー。穏やかな一日だった。
4月3日(月)
よく働いた。けれども仕事は減らない。明日はおととの入園式。もうそんな時だ。あにちゃんとおとと、二人と一緒に過ごす時間はまだまだなようでもうあっという間なのだ、きっと。そう考えるとたまらなく寂しい気持ちになる。妻も最近、そう感じているという。親でいられることをかみしめる。
4月4日(火)
おととの入園式。4人で登園、だけど自転車には3人しか乗れないので私は原付で向かった。
あにちゃんを通常通り預け、3人で入園式。おととは目に映るもの全てに興味を示し、じっとしていられずあっちへこっちへうろうろと徘徊。式が始まっても抱っこを嫌がって、眠いのもあったのかだんだん不機嫌に。とはいえ泣いたりはせず乗り切る。
式が終わり、登園の説明を受けて二人と別れる。11時ちょっと前。仕事は昼から行くことにして、少しだけ丸善へ。Twitterでみて気になっていた『宇宙最強物質』を購入。職場へ向かう電車でパラパラ捲る。
今日もよく働いた。23時くらいまで働きたい気分だった。終わらない。
4月5日(水)
初の二人登園。早く着きすぎて注意される。おととは預けるやいなやすぐに徘徊をはじめる。全然泣かない。名残惜しさすら示さない。すぐにどろん。すんなり。
妻から昼前に電話。おととは少しも泣かず、児童館感覚だったのではとのこと。逆に親の不在に気づいた時が怖い。本題はそれではなく、妻の祖母が亡くなったとのこと。今後の日程はわからないけれど、正直今週と来週は休むのが厳しい。
4月6日(木)
今朝も無事に二人登園。おととはまたしても預けるやいなや一心不乱に手当たり次第に興味を示し、私が離れたことに気づかない様子。妻曰く、やはりこの日も泣くことなく、妻が迎えに行った時にはすやすやと寝息を立てていたという。たくましい。
よく働いて、家に戻って、妻と少し話す。土曜日に火葬や葬儀をやるらしい。そうすると、金曜日に行って一泊するか、土曜日朝に始発で行くか、のどちらかだ。親戚の人たちによると、小さい子たちは無理に来なくてよいとのことで、それなら行くのは妻一人にして、土曜に始発で行って日帰り、ということになりそうだった。この間長い時間二人をワンオペしたから、きっと大丈夫だ。私も亡くなった祖母には何回か会っていて、交わした言葉はそれほど多くないけれど、妻と結婚したことやあにちゃんたちが生まれたことをたいそう喜んでいた。だから妻には私の分も言葉をかけてきてほしい。
赤染晶子を読み終えた。関西の人だからか、抜群におもしろいエッセイだった。芥川賞をとった『乙女の密告」も読んでみようと思った
。「異邦人」、「伊八郎の梅」、「北の国から」、「いずこへ」、「体育デー」が特におもしろかった。
4月7日(金)
あにちゃんとおとと二人とも疲れている様子で、二人とも保育園を休ませると妻から提案があって、そうした。
よく働いて、結局帰りはぎりぎり21時前となった。とはいえ、今日で新年度の大きなイベントが一通り終了した。来週も大事な会議があったりするが、そこまで残業せずに済みそうだった。毎年のこととはいえ、繁忙期は大変だ。これがそこまで大変にならないように、改善できる人間になりたい。
4月8日(土)
朝7時に妻は家を出て盛岡へ。あにちゃんとおととも早起きで、3人で見送った。10時くらいまでまったりテレビを見せながら家事をして、その間にどうやって過ごそうか考えた。せっかくだから妻に何か喜んでもらえるものを買いに行こうと思い、花に決め、ついでにアイスクリンを作るための練乳も買いたいと思って、あれこれとルートを考えて、交番と消防署を通って花屋の入ったスーパーに行くことにした。
あにちゃんに伝えると「公園にも行きたい」とのことで、スーパーから少し離れたところにある公園にも行くことに。歩くなると往復2キロを超えるルートで、自転車で3人で行くことを提案したが、あにちゃんは頑なにストライダーにこだわる。ええいどうにでもなれ!という思いで歩いて出発。おととはエルゴ。
交番、消防署とはたらく車たちを見てあにちゃんはご機嫌。しかしスーパーについて先に公園に行こうとしたのだがその公園が思っていたよりも遠く、だんだんあにちゃんが不穏に。それでも公園に着いて遊びはじめたものの、小学生が何人かいて、あにちゃんが遊びたかったブランコがなかなか空かず、しまいにはあにちゃんは「もう帰る」と着いてから5分も経っていないのに言い出す。待て待てと時間を稼いでいると小学生がブランコで二人乗りをはじめ、それを見たあにちゃんは「ダメだよ危ないんだよ~」と言いながらなんだか嬉しそうに近づいていく。そうこうしているうちに小学生は帰っていき、あにちゃんはブランコを楽しんだ。おととは放牧するとあちこちに興味を示して徘徊。二人を一人で見るのはなかなか大変だったけれど、遊びに来ていたあにちゃんよりおそらくひとつ上くらいの女の子と、そのおばあちゃんが一緒に遊んでくれたりして1時間ほど楽しんだ。
それでスーパーに戻って練乳とあにちゃんのお菓子とお花を買い、駐輪場で小魚せんべいを食べ、さああとは家に帰るだけ!とはいえあにちゃんはやっぱり疲れていて、「だっこしてほしいな~」と言いながらも結局最後まで歩いたのだった。本当に偉かった。でも今度は自転車で行こうね。私もおととをずっと抱っこしながら片手にストライダー片手に荷物で全身疲れた。
お昼ご飯に焼きそばを作って食べ3人で昼寝をするともう16時で、妻から新幹線に乗ったと連絡が来る。妻は17時頃に帰ってきた。ワンオペをしてくれる妻に感謝しきり。