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ジョブ習得:チューナリスト

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ねえ、ゆうしゃ、
あなたは多分、チューナリストというジョブを習得していた。
相手に合わせて自分をチューニングすることのできる能力。
ただし、すこし過剰に、かもしれないけれど。

みんな自分の音を奏でて生きていて、それは素晴らしく美しいけれど、
でも自己満足な音たちだけが掻き鳴らされているだけでは、あまりに耳障りな世界になってしまって。

≪彼らは決して、自分というものを持たない「弱い人間」ではない≫

今日もどこからともなく素敵な和音が聞こえてくるのは、きっとどこかにいるのね。
そうきっとどこのパーティにも。

彼らは自分を誰よりも知っている。
それを知っていて自分を殺めてまで
心も欲も感情もチューニングできる、
そんな類まれなる存在。
そのおかげで、どれだけの人が楽を得て
どれだけの人が平穏に笑い、憎しみや争いが減ったか
そしてそれは、さして賞賛もされず
そういう優しい人、いい人だからと
時には吐き捨てられて使われて捨てられて

その度に
自分よりもっと苦しい人間がいる
自分が至らなかったからなんだと自分に言い聞かせ
チューニングの手を休めない
常に一定に、同じ音で、
けれど相手によって微細に変化を加えて和音を奏でて

≪さながらアーティスト≫

自分の音がありながら、
いろんな人の音の良さを理解し、
それにどう合わせれば美しいかが見える
それはさながらアーティストのようでもあり

だから、きっとそんな素敵なジョブを習得したいたあなたにも、あなたの人生を、その技術を磨き上げた日々の努力のような、そんな人生の1日1日を
肯定してほしいし、少なくとも私は肯定したいの

≪ただ、素直な気持ちを。それは悪じゃないから≫

だから、だからこそね

そんなチューナリストとして進むときがあってもいいし、
大切にしていてほしいのだけれど。
自分が、自分自身が好きだと思う音も大切にしていいのよ。

好きな色や好きな曲や食べ物や、そんな好みがあるように自然な気持ちを。
自分の奏でるこの音が、好きという気持ち。
誰に言わずとも、自慢しなくとも、こころの中ででもいいから。
その瞬間、あなたはあなたの人生を少し肯定できるのではないかと思うの、あくまで今の私の、偏った意見だけれど。

だってその音は、人生の中で数多くの人と相対し、自分をチューニングし、セッションをこなしてきた、あなたの、あなたからしか生まれない、あなたにしかわからない、あなたの音なんだから。

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誰しも、いろんな場面で自分をチューニングして日々を生き抜いていると思ってます。しかも自分をチューニングするのがめちゃんこうまい方って本当にたくさんおられると思うのです。現実世界ではバランサー的なニュアンスで書いてみました。もしかしたら、それは強いられた状況で習得するものであったり、ひとそれぞれなのだと思いますが。
状況を判断して合わせられるというのは、ある意味特殊能力だよなと思いながら少し目線を変えて一気に書いてみました。あくまで、今の私の、圧倒的主観ではありますが。

私自身は、過剰適応という特性を持っていて、こいつがなかなか強敵でもあり最強の相方でもあるという…!そんな自分の特性を知って、向き合えるようになった今の自分から、過去の「どれだけ適応してもまだまだ足りない、もっともっと」ループが今より大きかった自分へ少しだけ声をかけてみるように。
いつかきっと、このおはなしも。

日々自分をチューニングして生き抜く冒険者の皆様に、力を抜けるような素敵なひと時が訪れますように。

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