ピグマリオン
ピグマリオンを引き裂くと、甘い灰色の無花果は実る。
怯まずも逸脱を満ち断つ、回廊を弾く海温と、
沸き立つ致死量の血潮で追いかけ、
死を乞う火の鳥の彩りが紐解ける。
幾度も、静まりを埋め尽くす波と、
幾つもの詩を問う広がりを飲み込んで、
騒ぎ出す、洗われたガラテアは泡立ち、
重ね合わされたひとときはミルク色を譲る。
生み出された赤薔薇を逆様の女神と拾い、
モザイクから零れ落ちる紫陽花が、
素材の細部へと体毛を伸ばしている。
焦がしている乳首から皮膚に聞く耳が、
いつまでもいつまでも詩と紐解けるシトシトと。
〈限り無い攣を束ねて3-4より〉
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