【実況する美術鑑賞#47】モネ「印象・日の出」①
では、まず作品を5分鑑賞して、発見したことを書き出します。
今回から、しばらくモネの作品を見ていきます。
・最初の鑑賞で気づいたこと
「印象・日の出」という作品ですね。今までもレクチャーとかで何回も扱ってきましたけど、ちゃんと見てみるとどうなのかってところですね・・
まずやっぱり中心に近い、日の出の赤に目が行くっていう感じですけど、その日の出のお日様に、筆で描いた跡がよ〜く見えて、こんな風に筆を動かしたんじゃないかなっていうのが分かる気がしますね。
色は重ねてありそうなので、最後の筆跡なのかもしれませんけど、真ん中は既に塗ってあって、最後に筆で円の円周を描いたんでしょうね、陰陽道のマークみたいに円周が2回のストロークで描いてあるような、そんな風に見えますね。
その赤から水面に映った朝日の光の帯に目がいきつつ、一番手前の船を漕いでいる人に目がいくという感じになりますかね・・
その船体も、さっきの朝日と同じように筆致がよく分かりますね。何筆ぐらいで描いたのか、なんとなく分かるような・・それがズームアップで見ると面白いですね。
ふにゃふにゃっとして、ポンと・・乗ってる人もこういう風にさささっと描いたっていうのが、筆の跡から分かるような・・
水面のさざ波が立っている状態も、ひとつのストロークでひとつの波を表しているのがよく分かりますね。この絵の実物があった場合には、後ろに離れたり近づいたりしてみると、そのストロークをたくさん感じるのではないかなって思います。
作品全体も結構そのような感覚で描かれている感じがして、遠くに見える煙突なのか、船のマストなのか、そういうものも全部一筆で描いてあるようなところもあったりとか・
あとは全体的に厚塗りしてない気がするんですよね。絵の具が薄いと言うか、薄い層が重なっている感じがするので、そんなに時間をかけないで1日とかで描いたのかなっていう・・それこそ本当に外にキャンバスを持って行って、この場所でざざざっと描き上げたような・・そんな風にも見えます。
水面が画面の下半分にあるんですけど、その色の別れ方っていうのがちょっと独特です。グラデーションはグラデーションなんですけれども、手前が濃くて、奥に薄くなっていく遠近感に沿ったものではなくて、もっとモザイクのように部分部分でちょっとずつ色が違うっていう感じが興味深くて。
実際の海とか川って、波が立っているところと、そうじゃないところ、流れのあるなしが全体で混ざり合っていて、よく見るとその水のテクスチャーの違いが、色の違いに感じられて、水面全体を見たときにマダラのように感じる時もあるなっていうのをこの絵を見て思い出しました。
なので、水面の表現はもしかしたらそういうことを表しているのかなと思いました 。
あなたにはどう見えましたか?
次回は②リサーチ編。