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気ままな鑑賞エクササイズ#3 歌川広重「六十余州名所図会」阿波鳴門の風波

1時間でnoteを1記事作る、エクササイズのような鑑賞をやっていこうと思います。記事を読むだけでも、同じように時間を測って擬似体験してみても面白いかも。

<ルール>
・以下の作品をまず3分鑑賞して、発見したことを書き出します。
・その後25分、書籍やネットで作家・作品について調べます。
・さらに3分鑑賞をして、再発見したことを書き出します。
・25分を目標に記事を編集します。
・気ままに不定期で続けます。

まず作品を3分鑑賞して、発見したことを書き出します。
今回の作品はこちら

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・3分の鑑賞で気づいたこと

浮世絵かな。渦が巻いてますね。下の方に行ってその渦の奥の方、海の谷間みたいなところが・・強調してるって言うか、こんなに落差ができるんだろうかっていうぐらい、そこの暗い色はすごく深い。

で、よく見ると、中央に岩場があって、そこに波がまとわりついてるんだけれど、そこが・・水の感じがすごい硬いって言うか・・雪山の雪みたいにも見えるし、流れているってよりは、まとわりついてるような不思議な感じですね。

この白いのが多分波だと思うんだけど、画面左上の方のこの形は、今まさにこう波が、飛沫が来て、ここから次の瞬間もう下に落ちていくんだろうけど、このまま固まっているような感じがするなぁっていう・・

奥の方の海も、結構こう高い波と言うか荒れてますね。もっと見ると、船みたいなのがちらっと黒い影が・・あれもしかしたら船なのかもしれないですね。

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これ現実にこんな場所をこれ見てる人が海上にいたら、もう次の瞬間は無事じゃいられないんだろうなーっていうような感じがしますね。

あとは縦画面なのも印象的かな。かっこいいって言うか・・僕自身はこの光景を横画面にしちゃいたいような気もするけど、縦画面だから、左上の波の高さ、落差みたいなのもかっこいいなと・・

左上の波の形が、下にもちっちゃい同じような形があるし、海の波の白い形も似た感じで、3つこう同じような形がポンポンポンとあって、もっと言うと、その右側の岩場も似たような形があって、奥の鳥達もそんな感じですけど、そういうリズムって言うか、同じ形が連なってるのが印象的かなっていう風に思いました。

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・作品・作家について

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作者:歌川広重 
作品:「六十余州名所図会」阿波鳴門の風波 
1853年〜1856年

・30分調べたこと

歌川広重について

風景を描いた木版画で大人気の画家となり、ゴッホやモネなどの西洋の画家にも影響を与えた。

歌川広重の作品は、ヨーロッパやアメリカでは、大胆な構図などとともに、青色、特に藍色の美しさで評価が高い。

この鮮やかな青は日本古来の藍(インディゴ)の色と間違えられることがあるが、当時ヨーロッパから輸入された新しい顔料であるベロ藍つまり紺青である。木版画の性質から油彩よりも鮮やかな色を示すため、欧米では「ジャパンブルー」、あるいはフェルメール・ブルー(ラピスラズリ)になぞらえて「ヒロシゲブルー」とも呼ばれる。
ウィキペディア「歌川広重」から抜粋
北斎がその健筆によって、風景画に独立独歩の地位を築き上げた頃、歌川派に広重が現れ、新しい感覚の作品によって北斎を脅かすようになる。北斎の風景画は、その人間性を反映して極めて個性的で、アクの強い特色を持っていた。これに対して広重は、抒情性に富んだ作品の東都名所や東海道五十三次のシリーズを発表し、広範な人気を得、風景画家としての名声を不動のものとした。
「週刊朝日百科 世界の美術126 浮世絵Ⅱ」より抜粋


「六十余州名所図会」阿波鳴門の風波について

『六十余州名所図会』(ろくじゅうよしゅうめいしょずえ)は、歌川広重による日本全国の名所を描いた浮世絵木版画の連作である。

1853年(嘉永6年)から1856年(安政3年)にかけて制作された広重晩年の作で、五畿七道の68ヶ国及び江戸からそれぞれ1枚ずつの名所絵69枚に、目録1枚を加えた全70枚からなる名所図会である。

全図とも画面は縦長で、前景を大きく描き遠近を協調したり、大胆なトリミングを施すなど、斬新な構図がとられている。
ウィキペディア「六十余州名所図会」より抜粋
そして、本シリーズでは彫りと摺りの技術が効果的に駆使されています。たとえば、美しいグラデーションを生み出す「拭きぼかし」は、海面や川面、空の表現に深みを与えています。とくに「拭きぼかし」の一種、「あてなしぼかし」は摺師の腕が問われる技術のひとつで、広重作品のなかでは本シリーズから本格的に使われ始めました。《阿波 鳴門の風波(あわ なるとのふうは)》は本コレクションのなかでもとりわけ重要な1図で、渦潮の流れに沿って藍色のぼかしが施されています。
https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2016_2/display.html より抜粋

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・さらに3分の鑑賞で考えたこと

この結構深い青の色っていうのが印象的と言うか、特徴っていう風に言われていて、最初の鑑賞で気づいた海の深いところの色もそうですけど、よく見ると画面の一番底辺であったり、一番上の空の色とかも深い藍色というか青で締めてありますね。

画面の上下でも深い色で締めて、真ん中にも深い青があるって言う・・これが画面が少し締まると言うか、そういう色合いなのかなって思いました。

あとはそういう意味でいうと、山の後ろの赤い色も特徴的で、これもすごくこの絵の印象を決めてるんだろうなとか、岩場の上の方の赤色とかも、まぁ実際はこんな色じゃないような気がするんだけど、特徴的な感じがしますね。

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資料には結構、北斎と対比して広重の絵を語っているものがあったんですけど、そういえば北斎にもあの有名な神奈川県沖浪浦って作品があったりとか、調べてみたら同じように徳島の鳴門を描いてあるものがあったんですけど、北斎の影響を受けつつも、違うんだぞって言うかね、そういう感覚が・そういう話を聞くと、あぁなんかちょっとそういうのがあるのかなっていう感じがします。

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↑北斎の鳴門

北斎よりアク強くはないのかもしれないけど、でも広重は広重ですごく特徴的だなぁと言うか、山のように見えるその波の形とか、今見ると海面の鳴門じゃない部分とかも山脈のように見えるし、誇張した描き方っていうのが・・まだちょっと言葉にできないけれど、もっと数を見たらこの広重さんの特徴っていうのがわかってくるんだろうかなーって思いました。

あと今見ると、岩場の岩肌の描きかたが結構ざざざっと、こう乱暴に描いてあって、それがかっこいいかなって、改めて見て思いました。

あなたにはどう見えましたか?
また次回!


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