ショートスプリントトレーニングがフットサル選手にもたらす「イイコト」
さて、ショートスプリントトレーニングをするとフットサル選手にとってどんなイイ事があるのか知りたいです!
と、質問を受けましたので、どんないいことがあるのか。
アスレティックトレーナーであり、サッカー・フットサルC級指導者ライセンスを保有する「ゆってぃ」がお答えさせていただきたいと思います。
1、フットサルのゲーム強度
フットサルゲーム(全4試合)10名のフットサル選手(平均年齢25.6歳、体重73.8 kg、身長175 cm)の運動時間中の強度分析を行った結果を以下にまとめます。
試合中の平均心拍数は最大心拍数の90%
フットサル選手はゲーム中に高い心拍数を維持していることがわかりますね。
試合中の走行スピードは中速度以上が50%
サッカーでは、試合中の走行スピードが中速度以上の割合は27%と言われているものもあり、フットサルの方がサッカーの約2倍中速度以上のスピードでプレーしなければいけなことがわかりますね。
フットサルはマルチスプリントスポーツとも言えますね!
参考文献:J. C. BARBERO-ALVAREZ(2007)
Match analysis and heart rate of futsal players during competition
2、マルチスプリントスポーツ
では他にどんなスポーツがマルチスプリントスポーツと言えるのでしょうか?
考えてみましょう。。
男子大学生がスポーツ系サークルに参加した際の運動量を調査した内容を以下にまとめます。
フットサルの運動強度
バスケットボールの運動強度
バレーボールの運動強度
各競技の運動強度の比較
大学スポーツサークルレベルで、特にフットサルの強度が高いのは明らかであることが分かりますね。
参考文献:洲雅明(2010)
男子大学生における体育系サークル活動の運動強度
マルチスプリントスポーツは、フットサルの他にも、バスケットボールや、ハンドボールなどが該当します。
その中でもフットサルの強度は特に高いかもしれませんね。
お気づきでしょうか?
フットサル選手にとって、ショートスプリントトレーニングは「イイコト」の意味合いは理解できてきましたか?
フットサルという競技自体が、ハイスピードかつ、高い運動強度を維持しながらプレーし続けなければいけないスポーツであるということが、ご理解いただけるのではないかと思います。
3、ショートスプリントトレーニングの運動生理学
では、具体的に、ショートスプリントトレーニングをすることでフットサル選手の身体にどんな「イイコト」が起こるのかを解説していきます。
ショートスプリントトレーニング(スピードトレーニング)にも大きく分けて3種類に分けられます。
●スピードトレーニング
目標運動強度:300%
運動時間目安:2-10秒
休息時間(ワーク:レスト比):1:5〜10
セット数:2〜10
瞬間的、爆発的に加速する能力を身につけます。
また、身体機能としてのスピードのみならず、予測力や反応力の速さも養います。
●スピード持久力産生トレーニング
目標運動強度:200~300%
運動時間目安:10-40秒(20秒以上が推奨)
休息時間(ワーク:レスト比):1:5以上
セット数:2〜10
短時間で高強度の運動を実施できるようになることを目的とします。
短時間で高強度の運動を繰り返す能力を身につけるのがこのトレーニングです。
●スピード持久力耐性トレーニング
目標運動強度:150-300%
運動時間目安:10-90秒
休息時間(ワーク:レスト比):1:1〜3
セット数:2〜10
高い強度の運動を持続し、繰り返す能力を高めます。
有酸素性代謝よりも無酸素性代謝(糖質代謝)に依存したトレーニングです。
参考文献:広瀬統一、菅澤大我
ボールを使ったフィジカルトレーニング
ショートスプリントトレーニングは、上記3種類のトレーニングの中に種類や目的に応じて組み込むことができます。
フットサルの強度の高い中でのプレーで、より高いパフォーマンスが維持し続けるという意味合いで、ショートスプリントトレーニングは重要なトレーニングになっていきます。
チームの課題や、求めるプレースタイルに応じて、
これらに、切り返し動作や、ボールを使ったトレーニングなどを織り交ぜて、
プログラムを作成していくことが有効ではないでしょうか。
ショートスプリントトレーニングがフットサル選手のもたらす「イイコト」ご理解いただけましたでしょうか?
ぜひ、参考にしてみてください!
最後まで見ていただき、ありがとうございました!!