4タイプ別・鍵盤を弾きたい人の方向性と対策④ソロピアニスト(独奏者)
こんにちは、神野優作(@yusakugodkanno)です。
前回の記事に引き続き、
鍵盤を弾きたい人を4タイプの方向性に分けて、
タイプ別に優先的に修得すべきスキルと知識を紹介していきたいと思います。
今回はこのテーマの最終回、
④ソロピアニスト(独奏者)タイプの人が修得すべき鍵盤スキルについて述べていきます。
④ソロピアニスト(独奏者)
ソロピアニスト(独奏者)とは、1人でピアノ1本のみで楽曲を完結させる演奏スタイルのことを指します。
すなわち、メロディ(主旋律)も、伴奏も、もちろんイントロや間奏なども、
全部1人でピアノだけでやるということであり、
1番クラシックピアノの奏法に近い、
世間一般が「ピアノ演奏」と言われて1番多く連想するスタイルであり、
ある意味今まで紹介してきた4タイプのスタイルの中で初心者には1番ハードルが高いスタイルと言えます。
ポピュラーミュージックの世界で具体的な有名音楽家を挙げるなら、
ひと世代前なら坂本龍一さん、
最近で言えば清塚信也さんやハラミちゃんなどがこのスタイルに当てはまります。
近年はストリートピアノやSNSなどでのピアノで弾いてみた動画などのバズにより、
ポピュラーミュージックをピアノアレンジして演奏するということもかなり身近になってきたと思います。
今回はゼロから始める初心者向け記事ということで、
クラシックピアノ経験がなくてもポピュラーミュージックをソロピアノスタイルで演奏するためには、
どんな技術や知識を優先的に修得していけば良いのかについて述べていきたいと思います。
必ずしも楽譜通り弾く必要はない
クラシックピアノでは、
楽譜に書かれてある通り1音1句違えず演奏する事が作曲者の意図を汲み取ることであり、正解とされています。
しかしながらポピュラーミュージックの場合、
市販されているピアノアレンジされた楽譜は、
大部分が楽譜出版元から下請けのアレンジャーに発注されてアレンジされたものであり、
アーティスト本人が関わっていない事がほとんどです。
僕も出版元から発注を受けて米津玄師さんや星野源さんの楽曲をピアノアレンジさせて頂いた事があり、
その楽譜がピアノスコアとして販売されていますが、
ご本人とお会いしたりやり取りした事はありません。
神野優作がアレンジした米津玄師『アイネクライネ』のピアノスコアはこちら↓
神野優作がアレンジした星野源『SUN』のピアノスコアはこちら↓
ピアノアレンジされている時点でアーティスト本人の手からは離れているので、
独自に弾きやすくアレンジしてしまってOKです。
そうやって絶えず変化して伝わっていくことこそ、
ポピュラーミュージックの本質ではないかなと個人的には思います。
右手単音メロディ弾き
ゼロからソロピアノを始める場合、
まず最初に押さえるべきポイントはこれです。
ピアノスコアはト音記号の上段とへ音記号の下段の2段譜になっており、
主にト音記号側に主旋律(歌メロディなど)が記載されています。
この主旋律だけを抜き出して、まずは単音でいいので弾けるようにすること。
ハモリなどがついて和音になっていることもありますが、
メインの歌メロ以外は無視して構いません。
また、メロディラインは主にその曲のキーのメジャースケールやマイナースケールによって構成されていることが多いので、
スケール練習をする事で鍵盤上でのメロディラインの把握能力が高くなり、
演奏できるまでのスピードが上がります。
また、スケールを把握する事で楽譜が無くてもメロディラインを自分で耳コピできるようになります。
僕のレッスンではスケール練習をマストでやって頂いています。
左手単音ルート弾き
ポピュラーミュージックのピアノスコアの場合、
だいたいメロディの上にコードが記載されています。
左手でそのコードのルート(ベース音)にあたる音を単音で弾きます。
Cならド
Gならソ
B♭ならシの♭
といった具合ですね。
これを右手の単音メロディ弾きと組み合わせるだけで、
最低限曲のアレンジが成立します。
即ち左手はコードのルートが把握できればまずはOK
ということです。
現代は楽器.meやU-FRETといった無料で楽曲のコードを検索できるサイトもあるので、
先述したスケール把握でのメロディの耳コピと組み合わせることで、
楽譜が無くても自分で弾きたい曲をアレンジして両手で演奏する事が可能になります。
コードの構成音の把握
右手単音メロディ+左手単音ルート弾きが慣れてきたら、
応用編としてコードの構成音を把握できると良いです。
コードの構成音把握はピアノアレンジにおいて色々と利点があり、
曲のコード進行に合わせて右手メロディにそのコードの構成音を混ぜることで、
ハーモニーが豊かになり、
メロディを弾きながら伴奏も同時にしているように聴かせる事ができます。
また、左手もルートだけでなくコードの構成音を混ぜたアルペジオ(分散和音)奏法などを行うことで、
ベースラインに動きが生まれ、
低音に厚みのあるピアノアレンジになります。
僕のレッスンではコードの構成音を把握するためのコードトレーニングを取り入れています。
3度ハモリ、6度ハモリ、オクターブユニゾン
これは、より上級テクニックです。
コードの構成音に加えて、
メロディラインに対してハモリの常套の音程とされている3度上や6度下(3度上のオクターブ下)という音程を同時に弾くことで、
派手でゴージャスなピアノアレンジにする事ができます。
3度や6度といったハモリ音程を把握するためには、
これまたスケールの知識が必要になりますので、
スケールを把握することは全ての演奏に通じる非常に大事な要素であることが分かって頂けると思います。
また、3度、6度の他にもオクターブユニゾンといって、
1オクターブ上や下で同じメロディラインを同時に弾くことでも同様の派手でゴージャスな効果をピアノアレンジに与える事ができます。
タイム感(リズム感)はケースバイケース
例えばバンドのキーボードプレイヤーであれば、
他の楽器パートと合わせられるようにするためのタイム感(リズム感)を修得する事が必須です。
一方ソロピアノの場合、
クラシックピアノがそうであるように、
ポピュラーミュージックのソロピアノでもある程度のテンポの揺らぎや間合いなどがあった方が、
むしろ心地良く聴こえるのではないかと思います。
とはいえ、
アップテンポの楽曲やR&B、ダンスミュージックのような、
リズムのグルーヴが命とも言える楽曲をピアノアレンジして演奏する場合は、
テンポがヨレてしまうとノレないカッコ悪い音楽になってしまうので、
必要に応じてテンポキープできるタイム感(リズム感)を身に付けると良いでしょう。
そのためにはメトロノームを鳴らしながら一定のテンポで弾く練習をするのが効果的です。
僕のレッスンでは、
メトロノームを使用したリズムトレーニングを独自に考案し、
生徒さんにやって頂いています。
アドリブ(即興演奏)
これは上級者向けのテクニックになりますが、
即興演奏のために必要なスケールや知識・演奏方法を身に付ける事で、
イントロやアウトロ・間奏にアドリブでピアノソロを加えてアレンジを変化させたり、
例えばハラミちゃんがやっているような違う楽曲同士を違和感なくメドレー的にノンストップで繋げる
みたいな技法も可能になります。
これは今まで述べてきたスケール・コード・リズムなど、
全ての要素を修得した上で成り立ちます。
せっかくやるならぜひここを目指して頂きたいですね。
まとめ
以上がソロピアニスト(独奏者)に当てはまるタイプの人が修得するべきスキルと知識です。
読んで頂いてお分かりの通り、
このスタイルではスケールやコードをどれだけ把握できるかがポイントになってきます。
市販のピアノスコア通り音符を1音1音追いながら弾くというやり方は、
ポピュラーピアノにおいてはただの1要素に過ぎません。
もっと大事なこと・楽しさは楽譜の先にあります。
それが自分で好きなように曲をアレンジして弾くことです。
そのためにもこの記事で述べたような知識や技術を身に付けて頂く事が、
遠回りなように思えて実は近道になります。
文章だけではイメージしにくい点もあったと思いますので、
実際にどんな練習をしていけばどうなるのかは、
また少しずつ動画なども交えながら記事にしていきたいと思います。
すぐに知りたい!学びたい!という方は、
ぜひ僕の元に習いに来て頂けたらと思います!
↓↓↓
それではこれにて、
4回に渡ってお届けしてきた4タイプ別・鍵盤を弾きたい人の方向性と対策は今回で最終回となります。
次回はまた別のテーマで鍵盤を弾きたい人に向けて役立つ記事を書いていきたいと思います。
お楽しみに!
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