漢字#4 珍しい名字 「名字」と「苗字」
最近、日本姓氏語源辞典で名字を検索することにはまっています。
知らなかった珍しい名字について知れるし、身近な名字でも意外な情報が詰まっていてとても興味深いです。
名字を入れて検索すると、何処にゆかりのある名字なのか、由来はどこから来ているのか、全国に何人くらいいるのか、日本で何番目に多い名字なのか等を調べることができます。
例えば日本で1番多い名字で知られる「佐藤」で検索すると、
このように、「佐藤」にまつわる由来や語源を知ることができます。身近な名字のことでも発祥まで知ることは無かったので、自分の名字で一度検索してみると面白いかも。
ちなみに佐藤さんの人口は約1,892,300人(2022/10/5現在)だそうで、単純計算で100人当たり1〜2人は佐藤さんということになります。
試しに自分の名字でも検索してみたのですが、同じ名字の人は700人しかいませんでした。700人しかいない同じ名字の人といつか会ってみたいですね。
・肉丸
以前、フジテレビで放送されている「人志松本の酒のツマミになる話」を視聴していた時、トリンドル玲奈さんの母の旧姓が「肉丸」だと知ったのが衝撃的でした。
漫画みたいな信じがたい名字ですが、実際に日本姓氏語源辞典で検索してみました。
人口80人(34146位)の珍しい名字だけあって、出てくる情報がかなり少なかったです。
ちなみに小字(こあざ)は市区町村の区画のことを言い、大分県にゆかりのある名字であるとわかります。分布を見てみると、
1 大分県(約30人)
2 長崎県(約20人)
3 福岡県(約20人)
となっており、ほとんどの肉丸さんは九州に分布していることがわかります。
・辺銀
最近、何の役にも立たないペンギンの種類を見分ける練習をしてます。実はペンギンと読む名字、「辺銀」さんが存在するらしいです。
帰化申請後は自由に氏名を決めることができるので、なるべくしてなった名字ではありますが、動物のペンギンから由来しているのは面白いですね。
(帰化…本人の希望によって他国の国籍を取得し、その国の国民となること。)
辺銀は日本で唯一の名字であり、崔暁峰さんの妻である辺銀愛理(ぺんぎんあいり)さんは石垣島で「辺銀食堂」を経営しているそうです。
インタビュー記事: https://www.mitsubishielectric.co.jp/club-me/knowledge/washoku02/okinawa/interview.html
・名字と苗字
名字を検索しているうちに、普段何気なく使っている「名字」と「苗字」の違いが気になりました。
漢字文化資料館によると、「名字」と「苗字」とでは、「名字」の方が本来の形であったようです。
「名字」とは本来、主にその人が住んでいる土地に関連して名付けられた名前を指していたとされています。(私の名字も地形から由来しているみたいです。)
しかし、江戸時代になると一般庶民は、公の場所で名字を名乗ることを禁じられてしまい、名字は武士や医者など支配階級の特権(苗字帯刀)となりました。
そして、ちょうどこの頃から「苗字」と書かれる例が増えてきました。
「苗」には名前に関係する意味はありませんが、「子孫」という意味があります。
そこで「苗字」とは、共通の祖先から分かれた子孫たちが共有している名前、という意味合いがあると考えられます。
江戸時代特有の同族意識の強さから「苗字」という書き方が広まっていったという背景を知った上で、「みょうじ」という言葉を使っていきたいですね。
今日はここまで。全然関係ないですが、どんぐりの頭の殻って殻斗(かくと)って言うらしいです。