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白髪を抜く行為と言うのはすなわちお店を潰すようなもので、ビックブラザーのように顔のない…
ドンドンドン、壁が何度か叩かれる。 友人が「運命みたいやなぁ」と言うけれど 私の顔は少しだ…
月の光に濡れた岩に 覆いかぶさる苔の緑 太陽の灯りに濡らされた 葉っぱもすでに乾いているの…
遊覧船がユートピアに座礁する 乗客は浜辺に打ち上げられ 砂の体をしたダイヤたちが、彼らの頬…
道草を食う 山羊が路頭に迷う ランタンの灯りを頼りに歩く猿 車道に飛び出す鹿の群れは皆一様…
夕暮れ蝉時雨 涙なんて、季節とともに無くなった 記憶もとっくに無くなった なのに胸の中が蠢…
ここは夢の中なんだろ?と君がしたり顔で言った そう、ここはきっと夢の中。僕が僕であるために僕が作り出した妄想、そして彼の妄言、だから僕ははにかみながらこう言うんだろう、「ほっぺた抓ってよ」 君は自分の頬をつねる 僕は私の頬をつねる 痛い、痛い、痛い 心は、空っぽ、空虚、絵空事 ここはさ、現実だよ。と君が言うけど、君の顔はテレビの模細工みたいに隠された。君が誰だか僕にはわかんないよ。だから僕は言うんだ「ほっぺた抓ってよ」そして君が僕の頬をつねって、僕が君の
緑青が街を覆う その街を巨人が跨る しかし巨人も飲み込まれ、固まった 黄金郷であればよかっ…
どこで失ったかは分からない どこかで、まるで林檎が落ちるみたいに "ポトン" …
ドアの角に小指をぶつけると痛い 人から悪口を言われると辛い お母さんが病気になると悲しい …
プールの塩素の匂いを嗅いで少し悔しそうな顔をする男、それを眺めるプール監視員には二人の子…
車のエンジンを回すとボンッという音とともに排気管から有毒そうな煙を車は吹き出す。悲しいこ…
闇の中でじっと座っている どこでもない場所、きっとそこには壁があるのだろうと思いながら、…
プールの底に足がつかないとき 例えば、根無し草みたいに 僕はぷかぷか浮かんでいる ぷかぷか浮かべるまでには様々な工程を辿ったのだが、今ではそれができる 別にそうしたかったわけではないけれど 気づいたらそうなっている 性というか、なんというか そこに理由はないのだろう 始めてプールに入ったとき とっても怖かったのは覚えている 足がつかない 僕は手足をバタつかせる そうするたびに口の中に水が入ってきて 体重は重くなり、沈んでいく それを見かねた先生は 水の中をゆったりと歩いて近