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再開発される身体

 白髪を抜く行為と言うのはすなわちお店を潰すようなもので、ビックブラザーのように顔のない、意思があるようでない指が勝手に動き、ぶちっという音を立てて僕という商店街から債券不良で消えていく

 そう言えば、爪を切るという行為もそれに近いなと思う。出る杭は打たれると言うけど、伸びた爪は猫だろうが、人間だろうが切られていく。
 いやあれは死んだ指の皮の行く末らしいので、どちらかと言うと役立たずがリストラされていく感じに近いのかな、路頭に迷ってゴミ箱という墓場に落ちていってハッピーエンドみたいな

 僕は昔から、若白髪が出てくるタイプだったから、友達が見つけては躊躇なくブチって引っこ抜いては大爆笑。僕はちょっと痛くて涙目。注射も嫌いなんだよな。マジで。たぶん、トラヴィス・スコットの曲聞いてても、尖った切っ先を見た瞬間、現実に引き戻されるって感じなんだろうと思う。まぁ、そんな状況なったことないし、病院とトラヴィスは相性ランキング下位にいると思うから。ニルヴァーナよりは上位だと思うけど。知らんけど。

 てか、僕は商店街好きなんやけど、シャッター街って悲しくね。いやあの静けさがいいと思うのも分かるんだけど、やっぱ賑わってるのが好き。賑わってるのを見て急に帰りたくなるのが好き。で、それで帰っても、なんか楽しかったって帰っても、結局帰り道は虚しくなるんだよね。最高にバカ。え、そもそも商店街より、栄が好き? そうかそうか君は・・・以下略

 「でもやっぱ、元気がある方がいいよ」
 「それはマジでわかる」

 「って、あれ?お前白髪生えてね?いやここ、ここ。抜いちゃろうか(笑)」
 「お前も立派なおじさんの仲間入りやな(笑)」

 そう言って僕は友人の短い毛先に手を掛ける。お目当ての白髪を

 1、2、3、ブチッ

 

 

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