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AIはツール
介護、福祉の業界にもIT使えってプレッシャーが高まって還暦オーバーのおばちゃんケアマネの私もこの波に巻き込まれそうになっている。
とは言っても、時々ネット上で見かけたり、会議で上司が言ってるだけで具体的にどうこうはまだ無いのだけれど。
今、自分が理解できてることで少し自分の頭を整理してみようと思う。
よく言われているAIにお任せすればケアプランが秒で作成できる。文面とか援助内容がどうでもよければそれはそうだろう。何ならひな形数パターン用意しておいてコピペすれば取りあえずの形はできる。
ただ、それを利用者・事業所に提示したときにこれは微妙だな~って展開が予想できる。経験年数10年以上で相当数の支援をしていればAIに頼らなくても澱みない速さで入力はできるし考えつつ入力すればその利用者に相応しいプランが即時できあがる。自分の思考を整理しながらの入力なので、利用者・事業者への説明もスムーズ。
AIに依頼するにしても基本情報・アセスメントを入れること必須だしチェックボックスにレ点入れるだけでは漏れてしまう情報も多々あるし瞬時に文面出てきたとしても、それを確認して修正する手間は出てくるだろうから、まだまだ最初の内はそれほど便利ではないと思う。
そもそも、ケアプランって文面を作るよりそれ以前の手間の方が大きい。
面談して情報収集してさらにどのサービスをどのくらい利用するのか、それは利用者の意向と考え次第。更に次の段階として事業者の選定、空き状況の確認、情報提供、契約・担当者会議の調整など人相手の業務が入り、事業所の人材不足が叫ばれてる昨今、そこを固めることの方がキーボード叩くよりよっぽど大変。
ネット情報や数値で示される事業所の情報より日々変わっていく利用者の増減、職員の質の変化、サービス内容のちょっとした変化など生で接してみないと得られない状況にケアマネジメントは左右される。ちょっと難しい利用者さんの利用に繋げるために配慮することだったり、AIにはまだ難しいような気がする。AIプランを手放しで推奨する人達、利用者の意向に添った支援を理解して実践してるのか?現場でケアマネしてるのかな?ってちょっと感じたりする。
とは言え、IT化はどんどんと押し寄せてくるしIT機器とは上手に付き合っていければその方が良い。ケアマネの立場としてAIプランを考えてみたけれど、一方でそれを使う立場の利用者、事業者の思惑というのもあると思う。
その部分については正直、拘る利用者さんはほんの一握り。利用者さんにとって紙のプランはそれほど重要でもなく、事業者にどんな関わりをしてもらうのかってことの方が大事だし、事業所に至ってはその形で交付されて期間とか援助内容が示してあればそれでOKな感じ。
そんな扱いされてても、キチンとした形でケアプランは作るけれど一部報道されてるようなそんなに大層なものではないよ、っていうのが現場の一ケアマネの感想。
自分が重要と思うのは、ケアマネジメントってケアプラン作成業務と=ではなくて、利用者に主体性を発揮してもらうこと、自立支援でこれからの生活を考えて決めてもらうための相談・助言、それに続く調整業務の的確さであると思う。
AI使えって言われれば柔軟に対処した方が賢いだろうし、それに対応できる力量を身につけた方が良いだろう。正直、どっちでも良い。AI必須になったらそれに従うけれど、あまりに面倒臭かったらそこで廃業しても良いなとも思う。
ケアマネの不足以前に訪問介護のヘルパーとか入所施設の職員不足の方がより重大と思う昨今。相談援助と調整の業務のみ行政に移管してケアマネみんな基礎職に戻ったほうが世の中の為かもしれない。
世の中が変化して人の意識も変化していて、従来のままでいては取り残されてしまう、というのはどんな業界でも同じことのような気がする。社会の波に上手に乗れなくても、呑み込まれて溺れないように特に昭和生まれの世代は対策した方が得策。アンテナを鋭くして何をすべきか考えたり、怪しい情報を鵜呑みにすることなく、落ち着いて日々のレベルアップを目指して行けば良いと思う。
まあ、自分が携わっている業界は「生老病死」まだまだ普遍的な要素も強い。まだAIが入り込めない領域かなと思ったりするけれど、時代が進んでAIに全てお任せになったら変わっていくだろうなとも思う。今はまだ、コンピュータや人工知能にアレルギー持つ人多いけれど、未来はそれがスタンダードになるかもしれない。