見出し画像

不登校と運動会〜きみはどうするのか?

なんとか給食から登校して、午後の授業だけ出席している次男。
今回、不登校になって初めての運動会。

さて、どうする?
残念ながら?日本の運動会は、
練習に参加することなく、
本番でパフォーマンスを披露するには
ちーとハードルが高い。

運動会の練習はだいたい午前に行われるので、
次男の参加は難しく、
なにより、次男がやる気ゼロだった。

「運動会はどうされますか?」と
担任の先生に問われたので
参加しないみたいですーと伝えた2学期の初め。

兄の演技や走りは見たい次男。
先生方の計らいで、
同級生が競技に参加している間は
私と一緒にいるか、
他の付き添いの先生と一緒に待つ形で
クラスのみんなと座って運動会に参加することを選んだ。

「走るぐらいは走ってみたら?」

運動は不得意ではない。
運動会に参加することを切に望んでるわけでもなかったけれど、一応切り出してみた。

「いや、絶対にやらん!」と次男。

「そか。じゃ、いいか」と私。

そして、運動会当日。
久しぶりに登校班で一緒に出発した次男は
校庭でみんなと楽しそうに座っていた。
.
.
私自身は子どもたちにとって運動会が
それほど重要な行事とは思っていない。
むしろ、なくてもいいかなと思っている。

それでも、青空の下、
子どもたちが一生懸命走ったり、
演技している姿を見ていると
やっぱり心を打たれるものがある。

時折、次男は私のところにやってきて
「ママ、今日がんばって運動会来てるから
なんか買ってー」としきりに交渉してくる(笑)

いやいや、私も次男が頑張っているのはわかっているが、その交渉は乗りたくないーと突っぱねる。

相変わらず、何もやりたくないーと言い続けていた次男。
私も、もういいかなと思っていたのだけど、
子どもたちが目の前で演技している姿を見ながら、ふと思った。

「こーくん(次男)。あんな、おかあさんは思うんやけど、走るのだけでもやったらどうやろ?
走れたら、こーくんにとって自信になると思うねん。
運動会は来年もあるし、来年どうするかは分からんけど、2年生の運動会は今日だけやで。走った!っていう想い出をひとつ作っておくのもいいかもやで。」

言葉の理解がゆっくりな次男に伝わるかは分からなかったけれど、
思ったことをそのまま次男に伝えた。

「いやー!むちゃ緊張するから出たくない。」

そう言って、今度は少し離れたところにいた
夫のところに駆けていった。
ま、そうよなーと、私はトラックを見つめていた。

そして、いよいよ2年生のかけっこの順番が迫ってきたときに、私のところに戻ってきた次男が言った。

「ママ、走ってくる。」

そう言って、クラスのみんなのところへ
ダッシュで戻っていった。


次男は走った。
さも普通にスタート地点に立ち、50mを走り切った。

清々しい顔しとったわ。

終わってから、どうやった?
と聞いてみた。

「3位か、2位か、1位やったと思う。」

「頑張って走れてよかったね。
なんで走ろうと思ったん?」と私。

「なんかな、走ろうって、
勇気が出たから走った。」

つたない言葉だったけれど、自分の中で整理して
走る選択をした次男。

I am so proud of you, my son!

そして、運動会から帰った次男の
「何か買って!」攻撃に閉口する母だった…。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?