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「みんなと仲良くしましょう」は禁句!?2つの弊害と解決策とは

「みんなと仲良くしましょうね」

学校教育では、定番中の定番であるこのセリフ。

あなたも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

そう、「喧嘩はよくないこと」「みんなと仲良くすることはいいこと」と教えるのが学校という場所です。

まぁ間違いとは言い切れないのですが、ベストかと言われたらそれもまた違うなぁと思うのが正直なところです。

では、なぜベストではないのか?ボクの12年の教員経験をもとにお話ししていきたいと思います。


それではまいりましょう!


そもそも大前提が違う

あなたは今までの人生の中でみんなと仲良くできましたか?
嫌いな人、苦手な人はいませんでしたか?

全力で「YES!」と答えられる人は皆無なのではないでしょうか。

正直、子どもに「みんなと仲良くしましょうね」と教えている先生ですら、職員室に帰ってきたら普通に喧嘩してたり、平気で他の職員の悪口を言っていたりする方もいましたからね(汗)

そう、人間そんなものなのです・・・。

もちろん、ボクだった苦手な人はいますし、ボクのことを苦手と思っている人もいると思います。

その、人間として普遍的であるといえる、相性の問題を無視して「みんな仲良く」とスーパー理想論を語ってしまうからややこしいことになるのです。

まずは、「人間誰しも、相性がいい人、悪い人がいる」という大大大前提を取り戻すことから始めましょう。

では、なぜ「みんなと仲良くはできない」という寂しい現実から目をそらしてはいけないのでしょうか?

その理由は、「みんなと仲良くしましょう」と教えてしまうと2つの弊害が生まれるからです。


弊害⑴自己肯定感が下がる

まず一つ目は、子どもの自己肯定感が下がるからです。

先日こんなツイートをしました↓

そう、「みんなと仲良くしましょう」と教えてしまうと、子どもの中に「みんなと仲良くすることがいいことなんだ」という価値観を植え付けてしまいます。

しかし、先ほども申し上げたように「みんなと仲良くする」なんて逆立ちして世界一周するくらい不可能なことです。

そうなると結果的にどうなるかというと、「あぁ、みんなと仲良くできない自分はダメな子だな」と自分を無意識に責めてしまうわけです。

「できない→自己否定」の罠にハマってしまうわけですね。


弊害⑵他者を責める心が生まれる

もう一つの弊害は、他者を責める心が生まれるということです。

先ほどのように、「自分はダメな子なんだ」と自分を責める一方で、「いや自分だけじゃない、あいつが悪いから仲良くできないんだ!」と他者を責める思考も働きます。

仲良くしなければ!という思考が強ければ強いほど、仲良くできないという現状に悩み苦しみ、どこかに原因を求めてしまうのです。

そもそも、”全員と仲良くすることは不可能”という前提があれば、「あぁあの子と自分はちょっと合わないからね」と他者との違いを受け止められたかもしれないのに・・・。


大切なことは工夫すること!

「じゃあ仲良くする努力はしなくていいの?」「嫌いだからって意地悪していいの?」という声が聞こえてきそうですが、それは違います。

大切なのは、合う人、合わない人がいる前提で「お互いにストレスなく生きれる方法」を身に付けることです。

さらにいえば、「どんな相手とも、違いを認め合いながら協力して最大の成果を発揮できる力」を身に付けるということです。これは決して無理して仲良くしろという意味ではありません。

具体的には

・どんな相手とでも程よい距離感を保てる力
・相手の違いを尊重できる力
・自分の価値観を大切にしながら協働していける力

を育てていくことが大切なのです。

そのためには、やはり「みんなと仲良くすることは不可能」という前提が必要です。

その「みんなと無理に仲良くならなくてもいい」という前提の上に工夫することで、これらの力を身につけていくことができるのですね。

つまり、「仲良くしよう」ではなく「お互いの相性や違いを前提に、協働して成果をあげられる力を身につけよう」が正解なのです。

人間、工夫次第で現状を好転させる力があるのですから。

そのためには、前提条件(ここでは「誰とでも仲良くできるわけではない)ということ)をしっかりと伝えていく必要がありますね。


まとめ

「みんなと仲良くしましょう」と教えることの弊害や解決策について解説してきましたがいかがだったでしょうか?

以上のことを意識しておくだけで、子どもへの声かけが違ってくるはずです。

みんなで、他者との違いを乗り越えて尊重、協働しあえる力を育んでいきましょう!

きっと世の中よくなるはずです。


以上、ガクせんでした。

最後までお読みいただきありがとうございました。

良い一日を!

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