世間では自己肯定感という言葉が一人歩きしている件
SNSを徘徊していると気になる事がある。
自己肯定感という言葉が一人歩きし
色々な人が間違った意味で使っていることだ。
自己肯定感を正しいニュアンスで使っている人は
非常に少ない。
自己肯定感とは、
ありのままの自分を受け入れられる感覚
「自分は生きてるだけでまぁいいや」と思える
そんな感覚のことである。
決して「俺は出来る」とか
「私は他人より可愛い」とか
そういう類の感覚ではないのだ。
他者より自分が優れていると思う感覚は
自己有能感といわれるもので、
自己肯定感は他者との比較によって
左右されるものではない。
職場で結果を出して、
上司に褒められたから自己肯定感アップ!
とはならないし
美人で誰もが羨む彼女が出来たからといって
自己肯定感が高まるものでもない。
身も蓋もないことを言えば
仕事を頑張って周りから評価されようが
SNSでバズって人気者になろうが
頑張った自分にご褒美を与えようが
自己肯定感にはほぼ影響しない。
年収何十億のイケメン起業家でも
世界を歌で救うトップアイドルでも
自己肯定感が低い人は低い、そういうものだ。
逆に言えば、
年収200万のフリーターでも
自己肯定感が高い人はいるし
仕事で特に評価されなくても
SNSでいいねがつかなくても
財布がカツカツで
コンビニのシュークリームすら買えなくても
自己肯定感が高い人はそれなりに満足出来て
幸せに生きられるのだ。
幸せに生きるために
自己肯定感を高めることは重要……
と言われる所以だ。
また、どんな時でも自己肯定する能力ではない。
何かをやらかした時に
「俺じゃない」「あいつがやった」
「知らない」「すんだこと」と
開き直ることと自己肯定感は関係が無い。
「やっちゃったなぁ……」と
自分のミスを受け入れ、時に反省するのが、
自己肯定感の高い人だと思う。
上記のような事は
様々な医師や心理士が
正しい意味を度々啓蒙しているが
間違った意味で使うインフルエンサーや
影響力のある有識者、一般人が多すぎるので
状況の改善は難しいのかもしれない。
「細けぇことはいいんだよ!」と
言われそうな気もするが
自己肯定感とは心理学用語であり、
定義がある程度定まっている言葉だ。
元精神科病院のスタッフとしては
気になってしまう。
例えば仮にプレステのことを、
Switchと呼ぶ人がいたら気にならないだろうか?「ゲームはゲーム、一緒だよ。」と言われても
「ちげーよ…」と思うのが人情ではないか…。
さて
仕事などで承認されても
自己肯定感には影響が無いと言うのなら
一体どうすれば自己肯定感は高まるのか?
割と関係があるだろうと言われているのは
愛されることだ。
愛されると言っても、
恋愛しようと言う意味では無い。
損得感情のない、
自分がどうであれ肯定してくれるような
無償の愛を得られた経験が必要らしい。
つまり、最も適すると考えられる相手は
両親なのだろう。
いわゆる「毒親育ち」は
自己肯定感が低い可能性が高いのかもしれない。
もう一つ、これは完全に持論で
少しスピリチュアルな話になるが
精神的な修行をすることが大事な気がしている。
修行というと……多分よく分からないだろうが
僕もよく分かっていない。
別にどこかの宗教に入信しろという意味では
決してない。
例えば、
瞑想やマインドフルネスと言われる類のものは
客観的に自己認知して
受け入れるための行動に近いように思えるので
取り入れてみるのもいいだろう。
また哲学や思想、宗教などを学んで
教養を身に付け、
思考力を鍛えるのもいいかもしれない。
自己肯定感を高める…
つまり、ありのままの自分を受け入れるのは、
悟りに近いような感覚に思える。
身に付けるのは、
1人では到底困難な事ではないだろうか。
先人達の知恵を借りる事も
おそらく、大事なことのように思える。
お読み下さり、ありがとうございました🐈
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?