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こんなところにあったのか?!:【ジオ散歩vol.6:宮城県仙台市No.2-2】
「市街地を実際に散歩しながら地形・地質を楽しむ」シリーズ、ジオ散歩。
仙台市の天然記念物を探す散歩でしたが「霊屋下」「橋の下あたり」の2つのヒントに該当する場所には見つからず・・。
今回は近くにある公園のような場所に望みをかけ、行ってみます!
場所は?
サラッとおさらいしましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1669430152329-bVXWUV1ZdT.jpg?width=1200)
スーパー地形は元データとして国土地理院の「電子国土」を使っています(出典:国土地理院ウェブサイト)
※トップ画像や以下の地形・地図画像すべて引用もとは同じです。
仙台市は上図の着色した地域です。
![](https://assets.st-note.com/img/1669432992721-8nZ8kWxPBC.jpg?width=1200)
JR仙台駅(青丸)から南西へ約2kmの場所(赤丸)が霊屋下(おたまやした)で、前回の探索地です。
![](https://assets.st-note.com/img/1669434728291-iewJHYj8jG.jpg?width=1200)
拡大しました。
前回はこの赤枠内を探索しましたが、見つかりませんでした。
そこで今回は南南東の公園らしき場所に行ってみます。
![](https://assets.st-note.com/img/1669434703018-GuRGklAmIM.jpg?width=1200)
こちらです。
橋を渡って公園(?)へ
では行ってみましょう!
![](https://assets.st-note.com/img/1669441260777-jBQj1mkYo5.jpg?width=1200)
霊屋橋をわたって突き当りを右へ。すぐ目の前の郵便局のあるY字路を右に曲がります。
![](https://assets.st-note.com/img/1669878865959-vm3x1QhhYc.jpg?width=1200)
右折しました。しばらく真っすぐ歩きます。
![](https://assets.st-note.com/img/1669879141641-geX6QQPmM0.jpg?width=1200)
これは!
公園の入り口でよく見かけるバリケードみたいなものですよね。
車やバイクを侵入させないためのモノ。
そして横(右)を見たら・・・
![](https://assets.st-note.com/img/1669879283450-RGBJKmpqo1.jpg?width=1200)
ありました!
う~ん、ここって一応、マップ上の地名は米ヶ袋(こめがふくろ)なのですが・・・(;^ω^)
せめて霊屋橋の南と説明されてれば一発で行けたのになぁ(笑)
まずは崖を見る
せっかくなのでメインディッシュは後回しにして、下流の崖を見ながら目的地に向かってみます。
![](https://assets.st-note.com/img/1669880485666-d6zoRDBp0l.jpg?width=1200)
こんなルートです。
![](https://assets.st-note.com/img/1669880985867-QX4xkY17JT.jpg?width=1200)
だいぶ落差がありますね。
崖のすぐ近くには建物が建っていて一見すると「大丈夫なの?」と思いますが、崖上部にはコンクリートが吹き付けられています。
弱い部分だけ対策し、その下は岩盤なので対策の必要がないと判断されているのですね。また川沿いには侵食を防止するための土嚢が積まれています。
崖に見える地層は、全体的に縞々が見えますよね。
![](https://assets.st-note.com/img/1669881295588-ebt7CXRPEd.jpg?width=1200)
白や薄茶色の層が縞々になっていますよね。
![](https://assets.st-note.com/img/1669881474362-ws7f5thRTX.jpg?width=1200)
そして上流を見ていくと、少しずつ下の地層が見えてきます。
この崖は東西方向に続いていて、地層は東(川の下流)に傾いているようです。そのため上流(西)へ行くほど下の地層が見えることになります。
上写真の真ん中やや右を見ると、上半分は縞々の地層、下半分は縞々が見えない地層ですよね。
![](https://assets.st-note.com/img/1669882540725-IhcEXeJmGI.jpg?width=1200)
だいたこんな感じで、赤点線より上が縞々。下が縞々無しです。
この組み合わせ、実は以前にも見ています。
![](https://assets.st-note.com/img/1669882654370-sX6XdrF7NB.jpg?width=1200)
これは仙台城(青葉城)のすぐ下の崖。
このMk②が「向山層上部層」で縞々の地層と同じ。
Mktは「広瀬川凝灰岩部層」で縞々無しの地層と同じです。
見比べてみると、似てると思いませんか?
詳しくは過去記事を参照ください👇
そう言う目で、あの写真をもう1度。
![](https://assets.st-note.com/img/1669882987545-wVF4n81Be7.jpg?width=1200)
ちなみに「向山層」とは、この崖の上の建物が建っている地名から名付けられています。
![](https://assets.st-note.com/img/1669883113939-IFef1LnZ2L.jpg?width=1200)
ほら!
広瀬川のすぐ南西に「向山」と書いてありますよね。
あった!!
そんなこんなで上流へ歩いていくと・・・。
![](https://assets.st-note.com/img/1669883217954-S3CZ4eApkz.jpg?width=1200)
おや?
![](https://assets.st-note.com/img/1669883281073-5OTevBYSOe.jpg?width=1200)
「切り株」のようなものがありますね。
![](https://assets.st-note.com/img/1669883337531-aKMkhVULWZ.jpg?width=1200)
これです!
上記の「向山層」が堆積した時期、このあたりはセコイヤの大森林地帯でした。そこに南の方(現在の宮城県白石市:高嶋ほか2019より)の火山噴火によって火砕流がやって来て、森林を埋め尽くし、焼き尽くします。
こうして形成されたのが「セコイヤ類化石林」です。
お読みいただき、ありがとうございました。
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参考文献
高嶋礼詩,・草川 遥,・西 弘嗣・折橋裕二(2019)仙台層群向山層の年代と広瀬川凝灰岩の給源.日本地質学会第126年学術大会(2019山口)講演要旨,セッションID: R5-O-12.