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朝夷奈切通しでシャコー葉理を見よう!【ジオ散歩vol.2:鎌倉市No.1-7】
「市街地を実際に散歩しながら地形・地質を楽しむ」シリーズ、ジオ散歩。
鎌倉市の朝夷奈切通し編もいよいよクライマックスに近づいています。
坂を登れば未来へ行ける
いざ記事にしようと写真を確認してみると、あまりにも枚数が少ない(^_^;)
動画撮影がメインになっていたようで、今回は動画のスクショ(横長)を多用しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1662350781899-TMm6iZCwYr.jpg?width=1200)
右に見えるのが入り口付近にある「三郎の滝」です。
これからしばらく登り坂が続きます!
![](https://assets.st-note.com/img/1662350898508-weNhymXc9r.jpg?width=1200)
「切通し」と言う名前からも分かる通り、山を切って道を作っているため、両側だけでなく路面も地層が剥き出しになっています!
![](https://assets.st-note.com/img/1662351192604-FBun02Ioh8.jpg?width=1200)
右側の「露頭」をみると、横方向にスジが見えますよね?
これが層理面です。
これは例えば、砂の集団が流れて堆積した後に、しばらく次の砂が流れてこない間に、当時の海底面だったと考えれば分かりやすいと思います。
![](https://assets.st-note.com/img/1662351839617-mexDx2h6D6.jpg?width=1200)
時には細かい砂が流れてきて溜まり、時には泥だったり、時には粗い砂だったり、たまに火山灰が降ったりなど、大きさや成分が違う粒子が積み重なって地層がつくられます。
地層は当然、古いものの上に新しいものが重なるので、この朝夷奈切通しを登るにつれて新しい地層が見えてきます。
つまり過去から未来に向かって歩いていると思うと、少しワクワクしてきませんか?
![](https://assets.st-note.com/img/1662352143003-uBw5hyjoWJ.jpg?width=1200)
この画像をみると、地層の積み重なりを立体的にイメージできるのではないか?と思うのですが、どうでしょうか?
少なくとも私には、左側の層理面が路面につながり、右側の露頭にもつながっているように見えます(※右側は分かりにくい)。
![](https://assets.st-note.com/img/1662536509944-vXNiQdYF9H.jpg?width=1200)
どうでしょうか?
上の画像と見比べてみてください。
もし写真では分かりにくいとしても、現地で分かりやすい層理面を見つければ、目で追えると思います!
ただ漠然と「岩盤が見える」という程度だと見えませんが「層理面を見よう」と考えて観察すれば、見えてくるものなのです(笑)
しかも朝夷奈切通で見える層理面は分かりやすいので、ぜひチャレンジしてみてください♬
斜交葉理があった!
しばらく坂を上っていくと、やっと峠が見えてきました(^^♪
![](https://assets.st-note.com/img/1662537520324-EC2411QEsA.jpg?width=1200)
おおお!仏様!!
そして峠で前方が開けたので、まぶしい!
![](https://assets.st-note.com/img/1662537624823-l3ISKUiL9g.jpg?width=1200)
引いて撮影してみました。
なかなか硬そうな岩盤なのに、真っすぐ削っていて凄いですよね。
そして「あること」に気づきませんか?
今までの露頭に比べると、「粗い」ように見えると思いませんか?
岩盤の表面がザラザラした雰囲気で、かつ一定方向のスジ(層理面)が見えず、全体的に乱れたようなイメージです。
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の最後の「ゆかりの地」でこの壁を見た時は「削った跡」だと思っていましたが、現地で見てみると、そうではないと分かりました。
![](https://assets.st-note.com/img/1662542045435-xb7nLfvuJu.jpg?width=1200)
この露頭を見て確信しました。「斜交葉理だ!」と。
そして砂粒の大きさが、これまでよりも大きいものが多くなっています。
だからザラザラと「粗く」見えるんですね。
![](https://assets.st-note.com/img/1662542524202-I8PKfzoO3p.jpg?width=1200)
赤点線が層理面で、黄色点線が斜交葉理です。
実は、斜交葉理の向きで当時の水の流れの方向を知ることができ、この場合は向かって左から右への流れです(※斜め右奥か斜め右手前の可能性ありますが、これを見るだけでは詳細は分かりません)。
斜交葉理の詳細については、過去記事をドウゾ!
いかがでしたか?
鎌倉時代の武将たちに思いを巡らせつつ、何万年も昔の海底の水の流れも知ることができるなんて、楽しいと思いませんか?
ぜひ、そういった新たな視点で朝夷奈切通をお楽しみください♬
お読みいただき、ありがとうございました。
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