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【キラキラネームな地名を発見☆彡】:広島県中央南部中山間地域【ふるさと探訪vol.17】
広島県の中央南部中山間地域にある盆地群(西条盆地)のお話は、今度こそ今回で最終です♬
前回記事はコチラをどうぞ↓
場所は?
再確認しましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1653460179544-tp8qv3UcUz.jpg?width=1200)
スーパー地形(カシミール3D)より抜粋した画像をもとに筆者作成。
なおカシミール3Dは元データとして国土地理院の「電子国土」を使っているそうです(出典:国土地理院ウェブサイト)
※トップ画像や以下の地形・地図画像すべて引用もとは同じです。
中央南部中山間地域は上図の⑧です。
![](https://assets.st-note.com/img/1653460147175-CrAR46AZSQ.jpg?width=1200)
⑧地域は上図のような11市町の全域または一部地域で構成されます。
今回紹介する場所は熊野町の北部です。
地名を見る!
さて、どんなキラキラネームなのか?見てみましょう♬
![](https://assets.st-note.com/img/1653483564894-OwJ78VpxjZ.jpg?width=1200)
どうでしょう?真ん中付近にある地名ですが、小さくて見えないかもしれませんね。拡大しましょう!
![](https://assets.st-note.com/img/1653483622234-E7rKAPNaCo.jpg?width=1200)
さあ、見えましたか?
なんと雲母川と書いて「きらら川」と読むようです!!
こんな地名、少なくとも私は初めて見ました。
雲母って何??
雲母(うんも)とは、鉱物の1種です。
流紋岩や花崗岩など粘っこいマグマが冷えて固まった白っぽい岩石に含まれます。
ウィキペディアで見たら「え?そうだったの?」と言う、私にとっての初耳情報があってビックリしましたΣ(・ω・ノ)ノ!
雲母(うんも)は、ケイ酸塩鉱物のグループ名。きらら、きらとも呼ばれる。特に電気関係の用途では、英語に由来するマイカの名前で呼ばれる[1]。英語のmicaはラテン語でmicare(輝くの意)を由来とする。
うそ?本当に??
「きらら、きら」だなんて、まるで「きららきーらら♬」みないじゃないですか(;^_^A
分かる人は分かると思います(笑)
まぁ、それはおいといて・・
雲母とはコレです。
![](https://assets.st-note.com/img/1653485104324-CECIJijZY4.jpg?width=1200)
この写真は真正面から撮影されているので分かりにくいかもしれませんが、雲母は薄っぺらい半透明のセロファンのようなものが幾層も重なった構造になっています。
その薄いセロファン状のものはキラキラ光りますので、川に含まれて流れていれば、確かに「きらら川」と呼ばれるのは頷けます。
地質は?
では地質図を見ましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1653486059401-LzM3MdulO8.jpg?width=1200)
濃いピンクは花崗岩。ドンピシャです!
![](https://assets.st-note.com/img/1653486429558-iI4meDDAqb.jpg?width=1200)
地質境界(赤線)を地形図に重ねてみると、雲母川周辺のなだらかな地形とだいたい一致します。
なだらかと言うことは風化して侵食されやすいと言うこと。とすると、花崗岩はマサ化してて、雲母がバラバラになって流出しやすいと推定できます。
また5万分の1地質図幅「海田市」(高木ほか1999)を確認したところ、上流部の溶結凝灰岩分布カ所に「ろう石鉱山」がありました。
ろう石とは、流紋岩質の火砕流堆積物が熱水変質作用を受けてできるものです。「ろう石」とは、その名の通り「ロウっぽくて爪で削れるような岩石」です。耐火材の材料になるそうです(※倉敷市立自然史博物館HPより)。
ちなみに熱水とは簡単に言うと「温泉」のことです。
岩石が高温の温泉水に触れると化学反応を起こして性質が変わってしまうことを、熱水変質作用と言います。
温泉地では、白っぽくボロボロになった岩石をよく見ますよね。
![](https://assets.st-note.com/img/1653487512648-8wM8wf1ANv.jpg?width=1200)
確かに上流部には流紋岩質の火砕流堆積物(薄いピンク)があります。
この火砕流堆積物、花崗岩ともに年代は中生代後期白亜紀(約1億~8400万年前)とほぼ同時期の地質ですし、花崗岩も熱水変質を受け、それもマサ化の原因になってるかもしれません。
雲母のカケラが川を流れ、キラキラとしている光景が目に浮かびますね。
それにしても、雲母を「きらら」と呼ぶのなら、日本には他にもキラキラ地名があるかも知れませんね。
お読みいただき、ありがとうございました。
参考文献
高木哲一・水野清秀 (1999) 海田市地域の地質.地域地質研究報告 (5万分の1地質図幅),地質調査所,49p.